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専任技術者退職後2年経過も、驚きの1週間で建設業許可更新に成功!

「2週間後に建設業許可の有効期限が切れてしまう...」

弊所にお問い合わせのあった嘘のような本当の話です。建設業許可を失っても構わないというのであれば、特に問題はありません。しかし、建設業者として500万円以上の工事を請負っている以上、建設業許可を失っていいはずはありませんね。

  • 変更届を出していない
  • 更新期限を把握していない
  • やろうやろうと思って先延ばしになっていた

など、さまざまな理由があると思いますが、しっかりと余裕をもって、建設業許可の更新申請を行いたいところです。

しかも、このお客様の場合、2年前の専任技術者の退職が、更新申請直前になって発覚するという、とてもイレギュラーなケースでした。稀に見るとても、珍しいケースです。

更新期限や変更届の提出期限の管理をしっかりできていればよいのですが、中には、この会社のように、管理をうまくできていないケースも多いようです。そこでこのページでは、実際の申請実績をもとに

  1. 決算変更届(4期分)
  2. 専任技術者(専技)の変更届
  3. 建設業許可の更新申請

の3点を、ご依頼から約1週間で申請した弊所の実績について、ご紹介させて頂きます。みなさんの会社では、このような危機的状況に陥らないよう、しっかりと期限管理をして、建設業許可を切らすことがないようにしてください。

【相談】2週間後に建設業許可の有効期限が切れてしまう!

概要

会社所在地東京都世田谷区
業種東京都知事一般建設業・鉄筋工事

相談内容

相談内容

2週間後に建設業許可の有効期限が切れてしまう。以前お願いしていた行政書士事務所に連絡したところ、「忙しくて時間がない」と断られた。どうにかしてもらえないだろうか?

申請内容

申請内容

・決算報告4期分

・専任技術者変更届

・建設業許可更新申請

行政書士法人スマートサイドの対応

2週間後に許可期限が切れてしまうという、とても急ぎの案件でした。以前お願いしていた行政書士の先生に「忙しくて時間がない」と断られてしまったとのことです。

行政書士の先生の力量にもよりますが、更新期限までの時間があまりにも短いと、「忙しい」「時間がない」といった理由で、業務の依頼を断りたくなる気持ちもわからなくはありません。

しかし、許可期限が切れてしまったら、いったんは廃業をしたうえで、再度新規申請をおこなわなければ、許可を取得することはできません。

今回のご依頼者さまは、そのあたりの認識が薄かったようです。そのため面談の際に、

  • 更新期限に間に合わなかった際のリスク
  • 届出を懈怠していたことが建設業法違反に該当すること
  • 今後、期限管理をしっかり行い余裕をもって準備することの大切さ

などをご理解いただき弊所で受任する運びとなりました。

各種変更届と建設業許可更新の手続きのながれを
時系列に沿って解説!

各種変更届の提出

4期分・決算変更届の提出漏れ
提出事項提出期限
決算変更届事業年度終了後4か月以内

決算変更届は、事業年度終了後4か月以内の提出が義務付けられています。決算というと「税理士の先生が税務署に提出している」というような認識の人もいらっしゃると思います。

しかし、建設業許可業者は、税務申告の決算報告とは別に、許可行政庁(都知事許可なら東京都庁、県知事許可なら県庁、大臣許可なら各地方整備局)あてに、決算の報告を行わなければなりません。

主な必要書類は、以下の通りです。

  1. 変更届出書(別紙8)
  2. 工事経歴書
  3. 直前3年の各事業年度における工事施工金額
  4. 財務諸表
  5. 事業報告書

なお「4.財務諸表」は、税務申告用の財務諸表を建設業法用に記載しなおさなければなりません。

このお客様の場合、決算変更届が4期分も未提出でした。

更新申請をするには、決算変更届がすべて終了していなければなりません。この事業者さまの場合、4期分の決算変更届の提出がされていなかったため、まずは、4期分の決算変更届の作成から取り掛かりました。

2年間も放置・専任技術者の変更届
提出事項提出期限
専任技術者の変更変更後2週間以内

決算変更届4期分の作成がひと段落し、更新申請書類を作成していたところ、なんと『2年前に専任技術者が退職していたとの報告を受けました。この点についは、打ち合わせの際に何も言われていなかったので、正直、驚きました。専任技術者の変更があった場合には、『変更後2週間以内』には届出を出さなければなりません。

にも関わらず、更新期限の2週間前になって、「2年前に専任技術者は退職している」と告げられても、困ってしまいます。

そこで、弊所では、過去の経験と知識をもとに以下の3つの論点を整理し、なんとか、専任技術者の変更と建設業許可の更新を完了することができないか?検討しました。

(論点1:後任者を誰にするか?)

まず問題になるのは、2年前に退職した専任技術者の後任を誰にするか?という問題です。

この会社は、従業員が数名という家族経営の小さな会社でした。そのため、新たに人を雇ったり、採用したりということは考えられず、後任者は必然的に社長にならざるを得ないという状況でした。

(論点2:後任者である社長が専任技術者の要件を満たすか?)

後任者が社長にならざるを得ないとしても、社長自身が専任技術者の要件を満たすか?が問題です。社長には、国家資格や指定学科の卒業経歴がないため、10年の実務経験を証明し、その間の会社への常勤性を証明するしか方法がありません。

10年の実務経験の証明については、1番最初に建設業許可を取得してから20年以上経過しており、その間、ずっと建設業許可を維持し続けていたので、10年の実務経験を証明することは可能でした。

10年間の会社への常勤性については、上記の期間、ずっと代表取締役社長として会社を経営し続けてきたので、会社への常勤性についても、証明することは可能でした。

以上より「10年の実務経験」「10年間の会社への常勤性」の2点を証明することができ、後任者である社長が専任技術者の要件を満たすことになります。

(論点3:2年前の専任技術者の変更を行うことができるか?)

1番の問題は、2年前に前任者が病気・高齢を理由に退職しているにも関わらず、2年後のいまさらになってから、変更届を提出し、建設業許可を更新できるか?という問題です。

この点については、審査担当者の判断にもよると思いますので、確実に大丈夫と言い切るわけにはいきません。

そこで、都庁に確認したところ、『2年前に前任者が退職した時点で、専任技術者の要件を満たした人が常勤していれば、許可は維持できる』とのことでした。幸運にも社長自身が、2年前の時点で、専任技術者の要件を満たしていたため、「専任技術者の変更」を無事行うことができました。

(注:この点については、今後の運用次第では、変更になる可能性もあります。また、許可行政庁、審査担当者の裁量で判断が異なることもあるかと思います。同じような状況にある会社は、まずは許可行政庁に相談し、判断を仰いで頂くことを、強くお勧めいたします)

確認事項確認結果
前任者退職時期前任の専任技術者の退職時期は、2年前。病気と高齢を理由に会社を退社。現時点に至るまで、都庁への専任技術者変更の届出をしていない。
後任者を誰にするか?後任者は、社長しかいない。社員数名の小さな会社なので、社長を専任技術者(後任)にするしか方法がない。
社長が専技要件を満たすか

創業30年以上。建設業許可を取得してから20年以上の経歴があるので、前任者が退職した時点で、社長の10年の実務経験を証明することは可。10年間の常勤性も証明することは可。

以上より、社長が専任技術者の要件を満たすことを確認。

2年前の変更を今からできるか?都庁に確認したところ、2年前の前任者退職の時点で、後任者(社長)が専任技術者の要件を満たしていれば、いまからでも、変更届を出しさえすれば、専任技術者の変更を行えるとのこと。

建設業許可の更新について

期限までわずか2週間・建設業許可の更新

上記のように、まずは決算変更届4期分の提出を行い、その後、専任技術者の変更届の提出を終えて、建設業許可更新申請を行いました。

難しいのは、『「決算変更届や専任技術者の変更届」の作成・提出に時間が取られて、建設業許可更新期限に間に合わない』といった事態にならないように調整することです。

決算変更届は4期分ありました。さらに、専任技術者の変更届は2年前にさかのぼって、社長の10年の実務経験を証明しなければなりません。決算変更届や専任技術者の変更届に時間をかけすぎていると、建設業許可更新が間に合わないといった非常にシビアな事案でした。

手続きの流れ内容

優先順位1

決算変更届の提出

決算変更届をもれなく提出していないと、建設業許可を更新することができないため、まずは、決算変更届の提出に漏れがないようにしました。

優先順位2

専任技術者の変更届の提出

専任技術者の要件は、建設業許可取得の要件のみならず、建設業許可を更新・維持するための要件でもあります。許可更新時に専任技術者が不在では、建設業許可を更新することができないため、更新に先立って、前任者から後任者である社長への専任技術者の変更届の提出を行いました。

優先順位3

建設業許可の更新申請

「決算変更届」と「専任技術者の変更届」が終わってからでないと、建設業許可の更新ができないため、先に上記の2点を終らせました。がしかし、建設業許可には更新期限があります。

上記2点を最短で終わらせつつ、なおかつ、期限に間に合うように許可更新申請を行いました。

「建設業許可の有効期限が切れてしまう!」という皆さんへ

私の経験の中でも、1番と言っていいほど「期限ぎりぎり」の案件でした。「決算報告+建設業許可更新申請」というのは、よくある話なので、十分に対応できる範疇でしたが、

  • 専任技術者が2年前に退職していたこと
  • この2年間、専任技術者の変更届の提出を懈怠していたこと
  • 更新期限ぎりぎりになって、変更届の懈怠に気付いたこと

がこの案件の特殊な事情でした。

特に「専任技術者」の要件は、建設業許可を新規で取得する際の要件のみならず、1度取得した建設業許可を更新・維持するための要件でもあります。しかも、専任技術者の

  • 突然の退職
  • 病気、高齢による勤務の限界
  • 死亡

ということは、可能性としては「なくはない」ことです。この事案のケースでは、無事、専任技術者の変更が認められ、更新期限までに建設業許可の更新申請を行うことができましたが、皆さんの会社では、このように、更新期限ぎりぎりになって慌てないように普段から「出すべき書類は出す」習慣をつけておきたいですね。

期限ぎりぎりの場合や、期限までに時間がない、自分でやるより専門家に任せて安心したいといった場合には、下記問い合わせフォームから、行政書士法人スマートサイドまでご依頼ください。

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「東京都の○○工事の建設業許可を取得したい。法人設立は、平成〇年。取締役としての経験が〇年。〇年以上の実務経験あり。建築科の卒業経歴あり。」といった詳細な情報を入力いただくと、許可取得に関する有益な相談を実施させて頂くことができます。

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