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建設業許可を取得する際の要件として、専任技術者の要件があります。専任技術者は、工事の技術部門の責任者として許可業者に常勤していなければなりません。
この専任技術者がいないと、建設業許可を取得したくても、取得することができないわけです。
今回のご相談者さまは、ご自身が「とび・土工・コンクリート工事」の専任技術者の要件を満たしているかどうか?わからなかったようです。
それでは、専任技術者になるには、どうすればよいのでしょうか?設業許可を取得したいとお考えの業者の多くが、「専任技術者の要件を証明できない」「経験年数が足りない」といって困っています。
このページでは、大学の工学部(建築学科)の卒業経歴を有する社員を専任技術者として、「とび・土工・コンクリート工事」の建設業許可の取得にした事例をもとに、専任技術者の要件について、詳しく解説していきたいと思います。
会社所在地 | 東京都杉並区 |
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保有業種 | (建)(大)(左)(石)(タ)(板)(ガ)(塗)(防)(内)(具) |
相談内容 | 現時点で、上記の11業種の建設業許可を持っている。しかし、最近になって、元請会社から「とび工事」の建設業許可を持つように、言われている。 自社で都庁に申請に行ったが、専任技術者になる人の実務経験の証明が必要であると言われた。 簡単に取れるものとばかり思っていたが、自社で書類を準備することができなさそうなので、行政書士法人スマートサイドに「とび工事」の建設業許可の追加取得をお願いしたい。 |
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申請内容 |
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この会社のように、いったんは社内担当者が、書類を作成し、都庁に申請に行ったものの、受け付けてもらえなかったというケースは少なくありません。手引きを読んだり、都庁の相談コーナーにいる行政書士の先生に相談して、なんとか自分なりに書類を作成し、申請したものの、書類を受け付けてもらえないという事態に直面すると、非常に大きなショックを受けることでしょう。
そういった事情もあったため、弊所にお越しになった際には、どうしても、既存の建設業許可に「とび・土工・コンクリート工事」の許可を追加したいという熱意が伝わってきました。
都庁の審査担当者から、具体的な指摘があったように、この会社のケースでは、「とび・土工・コンクリート工事」の専任技術者に該当することの証明ができていませんでした。
専任技術者になるには、会社に常勤している社員の中に、以下のいずれかの条件を満たしている人が必要です。
条件その1 | 該当の許可業種について10年の実務経験があること |
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条件その2 | 指定学科の卒業経歴+3年(もしくは5年)の実務経験があること |
条件その3 | 施工管理技士などの資格を持っていること |
【条件:その1】
これから取得したいとお考えの建設業の許可業種について、10年の実務経験があれば、専任技術者の要件を満たすことができます。「内装工事の許可を取得したいのであれば、内装工事について10年の経験があること」「防水工事の許可を取得したいのであれば、防水工事について10年の経験があること」が必要になります。
但し、一言で「10年の実務経験」といっても、なかなかハードルが高いのが難点です。
【条件:その2】
指定学科の卒業経歴があれば、10年の実務経験がなくても、3年ないしは5年の実務経験で、専任技術者になることができます。
指定学科とは、「建築科」「土木科」「電気科」「機械科」など、建設業関連の学科を言います。「普通科」は指定学科には該当しません。この指定学科の卒業経歴があると、10年の実務経験の期間が、3年ないしは5年に短縮されます。
中学、高校、専門学校の指定学科と卒業していると、実務経験期間は、5年に短縮され、大学の指定学科を卒業していると、実務経験期間は、3年に短縮されます。
【指定学科の卒業経歴】 | |
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中学/高校/専門学校の卒業生 | 5年の実務経験が必要 |
大学/短大/高等専門学科の卒業生 | 3年の実務経験が必要 |
【条件:その3】
建設機械施工管理技士や土木施工管理技士の資格があれば、実務経験を証明することなく、専任技術者になることができます。そのため、条件1・条件2と比べて、申請手続きは、比較的、簡単なものになります。
しかし、そもそも、資格の取得自体が難易度が高いうえに、資格者を採用することも難しいことが、難点です。
では、この会社のように、社内に指定学科の卒業生が在籍していた場合、建設業許可をどのように取得すれば良いのでしょうか?このケースでは、すでに、建設業許可を持っており、経営業務管理責任者の要件は問題にならないケースでしたので、以下では、専任技術者の要件に絞って、記載いたします。
まずは、ご自身が卒業した「学部」や「学科」が、指定学科に該当するか否かの確認が必要です。
指定学科に該当すれば、実務経験の証明期間が10年から最大で3年に短縮されるので、指定学科に該当するか否かは、とても重要です。
指定学科に該当するか否かは、都庁や県庁のホームページに掲載されている手引書を確認すればわかります。
まれに「テレビ電気科」や「建築室内設計科」といった、手引に掲載されていない学科でも、指定学科と認められるケースがあります。卒業した学科が、指定学科に該当するか否か、判別がつかないときは、許可行政庁に問い合わせてみるのも良いでしょう。
このお客様の場合、建築科の卒業経歴であったため「とび・土工・コンクリート工事」の指定学科に該当しました。
なお、建築科の卒業経歴は「とび工事」以外の「建築工事」「大工工事」「内装工事」など、さまざまな指定学科に該当することになります。
当然のことですが、指定学科を卒業した(建築科を卒業した、土木科を卒業した)という事実は、書類によって証明しなければなりません。決して、自己申告で通用するわけでは、無いのです。
そのため、指定学科の卒業経歴を使用して専任技術者の要件を証明しようとする場合には、卒業証明書(発行後3か月以内の原本)が必要になります。
このお客様の場合も、卒業した大学から卒業証明書を発行してもらい、審査の際には、都庁に持参しました。
指定学科の卒業経歴があったとしても、実務経験の証明は必要です。指定学科の卒業経歴があると、実務経験期間が短縮されるというだけで、免除されるわけではないからです。
実務経験を証明するために使用する書類は「工事請負契約書」「注文書+請書」「請求書+入金記録」のいずれかです。
とび・土工・コンクリート工事の実務経験を証明するには、とび・土工・コンクリート工事の「工事請負契約書」「請書・注文書」「請求書・入金記録」が必要です。
また、必要な件数は、「おおむね3か月に1件程度」というように、考えればOKです。
3か月1件程度の、工事請負契約書もしくは、注文書・請書もしくは、請求書と入金記録があれば、実務経験を証明することができます。
このお客さまの場合、直近3年間の「とび・土工・コンクリート工事」の「請求書+入金通帳」を用意し、3か月に1件程度のとび工事の実績を証明することによって、専任技術者の要件を証明しました。
今回の相談者さまは、工学部(建築科)の卒業経歴を使って、とび・土工・コンクリート工事の建設業許可を取得することに成功しました。このように、本来であれば10年の実務経験が必要なところ、特殊な学科の卒業経歴を使って、実務経験の期間を短縮して、建設業許可を取得するというパターンは、ほかにもあります。
以下では、実際に、行政書士法人スマートサイドが、指定学科(特殊な学科)の卒業経歴を使って、建設業許可取得に成功した事例を、いくつか記載させて頂きます。
機械工学科の卒業経歴を使って、管工事の建設業許可を取得することに成功した事案です。本来であれば、10年の管工事の実務経験の証明が必要でしたが、大学の機械工学科の卒業経歴があったため、10年ではなく、3年の実務経験の証明で許可を取得することに成功しました。
本店所在地 | 内容 | |
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東京都 中央区 | 機械工学科の卒業経歴を使って、管工事の建設業許可を取得することに成功しました! (↑クリックすると、ページが移動します) |
電気工事の建設業許可を持っている会社が、社長の「電気科」の卒業経歴を使って、電気通信工事業の許可を追加で取得した事案です。
高校の電気科の卒業経歴であったため、10年の実務経験期間が、5年に短縮されました。税理士の先生や土建組合からも、「無理」と言われ、弊所にご依頼頂いたという経緯があります。
本店所在地 | 内容 | |
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東京都 葛飾区 | 「電気科」の卒業証明書を使って、電気工事業に電気通信工事業を追加しました!! (↑クリックすると、ページが移動します) |
前任の専任技術者が亡くなってしまったため、建設業許可(とび工事)を維持するには、後任の専任技術者に交代せざるを得ません。
ただ、社内で、だれも専任技術者の要件を満たしそうになかったため、最後の手段として「指定学科」を検討したところ、社員の方の「建築室内設計科」という卒業経歴が役に立ったという事案です。
本店所在地 | 内容 | |
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東京都 渋谷区 | 専任技術者死亡6か月後に「許可を切らさず」新任者への変更に成功しました!! (↑クリックすると、ページが移動します) |
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