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みなさんの中には、下記のような勘違いをしている方は、いらっしゃいませんか?
もし、そのような勘違いをしていると、かえって建設業許可取得の可能性を狭めているかもしれません。
このページでは、そんな皆さんの常識を覆すべく、建設業許可の取得に必要な経営業務管理責任者と専任技術者の要件を満たす人を外部から採用し、工事実績のない不動産会社が建設業許可を取得するまでに至ったケースをご紹介させて頂きます。
【問題】 | 【正解】 |
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不動産業や宅建業をメインにしている会社は、建設業を主たる目的としていないので、建設会社のように建設業許可を取得することは、できない? | × |
いままでに会社として工事の実績がない場合。工事を請負ったという実績がない以上、許可取得のための要件を満たすことができず、建設業許可を取得することができない? | × |
経験のある人を取締役に就任させたり、国家資格者を社員として採用したりしても、過去の工事の実績がない以上、建設業許可を取得することができない? | × |
建設業許可を取得した以上、工事を必ず行わなければならない?逆に、工事を施工する予定がなければ、建設業許可を取得してはならない? | × |
会社所在地 | 東京都豊島区 |
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業種 | 不動産会社(宅建免許事業者) |
相談内容 | 不動産の販売や賃貸を主に扱っている。これから工事をやることはないと思うが、建設業許可を持っていると銀行取引に有利になるため、建設業許可を取りたい。 工事実績がないので過去の経験を証明することができないが、どのようにすれば許可がとれるのか? |
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申請内容 | 建設業許可新規申請 |
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この事業者さまのように、工事の経験がなくても、実際に工事を施工したことがなくても「許可要件を満たせば」建設業許可を取得することは可能です。もっとも、建設業許可を取得するためには「経営業務管理責任者」と「専任技術者」が必要です。
弊所にご相談頂いた時点では、まだ、社内に経管・専技がおらず、建設業許可取得の要件を満たしていない状況でした。
そこで、「経営業務管理責任者」「専任技術者」の要件を満たす人を探してもらうこととし、その方の要件を確認したうえで、問題がなければ、受任するということになりました。
当初、少し時間がかかることを予想していましたが、思いのほか、スムーズに上記の要件を満たす人が見つかりました。
たまたま、社長の知合いで、大手建設会社の役員を5年以上やっていて、かつ一級土木施工管理技士の資格を持っている方がいらっしゃったので、その方に「経営業務管理責任者」かつ「専任技術者」になっていただくことになりました。
このように、「社長の知合い」や「家族などの身内」に、経管・専技の要件を満たしている人がいると、思ったよりも早く建設業許可を取得できるケースもあります。
経営業務管理責任者の要件を満たすには「取締役として5年以上の経験」および、「その5年間、建設業をおこなっていたことの証明」の2つが必要になります(なお、取締役としての5年以上の経験のほかに、個人事業主としての5年以上の経験がある場合も、認められます)。
経営業務管理責任者の要件 | |
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取締役としての5年以上の経験 | 過去に勤めていたA社の登記簿謄本にて確認 |
上記の期間 建設業を行っていたことの証明 | 関東地方整備局にてA社の建設業許可取得状況を閲覧して確認 |
(取締役として5年以上の経験)
まずは、経営業務管理責任者になる方の、役員としての過去の5年の経験を確認するために、この方が勤めていた大手建設会社(仮にA社とする)の登記簿謄本を取得しました。登記簿謄本の記載を確認したところ、役員の経験5年間については、問題ありませんでした。
(5年以上、建設業を行っていたことの証明)
一方、経営業務管理責任者の要件を満たすには、ただ単に取締役の経験が5年間あるだけではなく、取締役に就任していた5年間、建設業を行っていたことの証明が必要になります。
そこで、A社の許可取得状況を確認しようと思ったのですが、この会社は、国土交通大臣許可業者です。国土交通大臣許可業者の情報について、関東地方整備局に電話で照会を掛けたのですが、電話での問い合わせには応じていないとのことで、関東地方整備局までいかないと閲覧できませんでした。そこで、関東地方整備局まで出向き、A社の許可取得状況を閲覧しました。
閲覧の結果、経営業務管理責任者になっていただく方の、取締役としての在任期間中、A社は、国土交通大臣許可を取得していました。
これにより、「役員としての地位が5年以上あること」、および「その役員期間中の工事の経験が5年以上あること」を証明でき、経営業務管理責任者の要件を満たすと判断しました。
一級土木施工管理技士の資格を持っていたので、専任技術者の要件は特に問題ありません。
なお、一級土木施工管理技士の資格を持っていると、以下の9つの業種の専任技術者になることができます。
【一級土木施工管理技士の資格で専任技術者になることができる業種】 | ||
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土木工事 | とび・土工工事 | 石工事 |
鋼構造物工事 | 舗装工事 | しゅんせつ工事 |
塗装工事 | 水道施設工事 | 解体工事 |
※2017年申請当時は、解体工事は含まれていません。
(取締役への就任登記)
経営業務管理責任者は、許可申請会社の取締役である必要があります。建設業許可を取得するために、この方にも、取締役に就任していただくことになりました。
取締役の就任には、登記簿謄本の変更が必要ですので、司法書士の先生と連携を取り、登記の変更手続きを行ってもらいました。
(社会保険への加入)
あたらしく会社に常勤することになるわけですから、健康保険に加入していただく必要もあります。経管・専技の常勤性の証明には、健康保険被保険者証に申請会社の事業所名が、記載されていることが必要だからです。
(住民税特別徴収への切替)
もっとも、この方は、75才以上であったため社会保険に加入することができず、常勤性の証明は、住民税特別徴収への切替申請書で行うことになりました。通常のケースでは、常勤性の証明は「健康保険証」にて行いますが、「健康保険証」で証明できない場合には、住民税特別徴収の記録で行うことが多いです。
この点については、ご高齢の方に「経管」「専技」になっていただく場合には、注意が必要ですね。
上記のように、経営業務管理責任者+専任技術者の要件を満たす方を、常勤の取締役として招き入れ、社会保険および住民税の手続きを行い、各種証明資料を準備のうえ、都庁に申請に行きました。
無事、申請を受け付けてもらうことができ、建設業許可を取得することができました。
不動産会社、宅建業者は、賃貸しているマンションの内装工事や、入居者退去後の原状回復工事などを施工することもあると思います。また、実際には自社で工事を施工することはなくても、建設業許可を持っていると、同業他社との差別化や、顧客へのアピールポイントとして、有利に働くことがあるようです。
新規許可を取得するには、どうしても「経営業務管理責任者」「専任の技術者」が必要になります。どの事業者さまも、この2つの要件で苦労します。
泣く泣く、許可取得をあきらめて頂くケースも、珍しくありません。事業者さまの中には、「書類さえ準備すれば、建設業許可は簡単に取得できる...」というイメージをお持ちの方もいらっしゃるようですが、なかなか、そう簡単にはいきません。通帳と請求書の金額の記載の突合せや、工事内容の吟味など、過去の工事経験については、細かくチェックされるからです。
もっとも、今回の事案のように仮に過去の工事実績や請負経験がゼロであったとしても、「知り合い」や「身内」に経管・専技の2つの要件をクリアできる方がいて、その方に会社に入っていただくことによって、許可を取得できることも事実です。
こういった特殊な申請方法については、不動産会社(宅建免許業者)はもちろんのこと、建設業者でも知っている人は、そう多くはありません。どうしても許可を取得しなければならないという方は、一度、経管・専技の要件を満たす人を探してみてはいかがでしょうか?
行政書士法人スマートサイドでは、弊所に建設業許可申請をご依頼頂ける方に限り、事前に許可要件を充足しているかのチェックを行わせて頂きます。
【この記事の監修・執筆責任者】 東京都行政書士会:文京支部所属(行政書士登録番号:14081073) 行政書士法人スマートサイド:代表:横内賢郎/出版実績一覧はこちら 「技術職員100名以上」「年間売上100億円超」「全国展開している大臣許可業者」など大規模事業者の申請手続きも、得意としている事務所です。 |
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