
このページでは、一般建設業許可を持っている建設会社が、次回決算(翌年3月)を待たず、決算期を5月末へと10か月前倒しすることで、工期までに特定建設業許可の取得に成功し、大型工事の受注に成功した事例をもとに、具体的な手続きの流れを解説しています。「他の行政書士に相談したところ、次の決算まで待つしかないと言われてしまった」という状況からでも、解決策はあります。
「どうしても急いで『特定建設業許可』を取得しなければならない」という方は、いらっしゃいませんか?
- 発注者から突然『特定許可』を持つように言われた
- 受注を狙っている工事が『特定許可』が必要な工事だった
- 直前決算では財産的要件を満たしていないけど、次回の決算まで待てない
今回の申請実績は、「急いで特定許可を取らなければならないが、直前決算の数字では特定許可に必要な財産的要件を満たしていなかった場合にどうすればよいのか?」という事例のご紹介になります。
■ 工事実績ゼロでも特定建設業許可を取得!経管・営技(専技)を外部招聘した成功事例【東京都】
■ 子会社設立2ヶ月で特定建設業許可を取得!初回決算未到来でも許可が取れた理由【東京都】

東京都建設業許可取得の専門家。「工期に間に合わせるため、決算期を前倒しする手法を用いて特定建設業許可を取得」「工事実績ゼロの会社で特定許可取得に成功」「子会社設立直後、2か月で特定建設業許可取得」するなど、通常のケースでは、うまくいかない難易度が高い特定建設業許可の取得が得意。建設業許可の取得・維持の専門家としてクライアントからの信頼が厚い。
財産的要件を満たせない場合、特定建設業許可を取得できるか?
特定建設業許可の取得に必要な4つの財産的要件
まず、特定建設業許可を取得するには、以下の4つの財産的要件が必要になります。
| 要件 | 詳細 | 基準日 |
|---|---|---|
| (1)欠損比率 | 20%以下 | 【直近決算】 |
| (2)流動比率 | 75%以上 | 【直近決算】 |
| (3)資本金 | 2000万円以上 | 【申請日時点】 |
| (4)純資産 | 4000万円以上 | 【直近決算】 |
「次の決算まで待つしかない」は本当か?
上記の4つの財産的要件で大事なのは、「(1)~(4)の条件を満たしているか否か?」という点と、「いつの時点で満たしていなければならないか?」という点です。多くの人が「いつの時点で満たしていなければならないのか?」という視点が抜けているため、「工期に間に合わない」「規模の大きい工事を失注」してしまっています。
(1)(2)(4)の要件は、直近の確定した決算の時点で、(3)の要件は申請日時点で、満たしている必要があります。仮に御社の決算が3月末であった場合。今年の3月末時点で、上記の要件を満たしてなければ、来年の3月末まで待つ必要があります。しかし、来年の3月末まで待てないという場合においては、決算期を前倒し、上記4つの要件を充足させて、特定建設業許可を取得することも可能です。
決算期を前倒しして特定建設業許可を取得した事例

相談者:建設会社社長
大規模プロジェクトの受注に向けて特定建設業許可が必要です。現状、資本金が1500万円しかなく、2級の技術者の資格で一般建設業許可を取得しています。ほかの行政書士に相談したところ、「今年の3月末(決算)時点で、財産的要件をクリアしていないため、プロジェクトの工期に間に合わない」と言われてしまいました。スマートサイドさんのお力で、なんとか9月までに特定許可を取得できないでしょうか?
回答者:行政書士
御社の場合、特定建設業許可取得の一番のネックは、直前決算期(今年3月末)の段階で、資本金が1500万円しかなく、「特定建設業許可に必要な財産的要件を満たしていない」点にあります。また、純資産も4000万円未満ですね。2級の技術者を1級技術者に変更するとともに、決算期を前倒しし、財産的要件を充足させれば、9月までに特定許可を取得でき、大型プロジェクトの受注も実現の可能性が高いと思います。
ご依頼頂いた時のお客様の状況は、下記の通りです。
| ご依頼時のお客さまの状況 | |
|---|---|
| 許可状況 | 東京都一般建設業許可(建築一式) |
| 技術者資格 | 2級建築施工管理技士(建築) |
| 資本金 | 1,500万円 |
| 純資産合計 | 4,000万円未満 |
| 決算期 | 3月末 |
通常であれば、「翌年3月末を待ち、それまでに資本金を2000万円にしたうえで、純資産を4000万円以上にし、般特新規申請(一般許可を特定許可に切り替えるための申請)をしましょう」となります。社長が相談した行政書士の先生も、このような考えで、「工期には間に合わない」と回答したのでしょう。しかし、この会社の場合、9月には、特定建設業許可を持っていなければならない事情があるため、次の決算(翌年の3月)まで待つことができません。
そこで、
- (1) 早急に資本金を1500万円から2000万円に増資し
- (2) そのうえで、決算月を3月から5月に変更し
- (3) (1)(2)と同時進行で技術者を二級から一級に変更して
- (4) 7月中に「決算変更届」と「般特新規申請」を同時提出
するという方法をご提案いたしました。
財産的要件を満たして特定許可を取得するための具体的な流れ
| 【手順】 | 【内容】 |
|---|---|
| 手順1 | 増資 |
| 手順2 | 決算期の変更(前倒し) |
| 手順3 | 定款変更・登記簿謄本変更・納税申告など |
| 手順4 | 資本金変更届+決算変更届の提出 |
| 手順5 | 営業所技術者の変更 |
| 手順6 | 特定建設業許可の申請 |
以下では、この案件で実際に行った具体的な手続の流れを記載します。ちょっと細かいかもしれません。また、司法書士の先生や、税理士の先生の協力も必要になってきます。
(1)手続1:1500万円から2000万円への増資
ご依頼時の資本金が1500万円(2000万円以下)であったため、特定建設業許可を取得するにあたって、500万円の増資が必要になります。資本金の額は、登記記載事項であるため、資本金の額の変更には登記変更申請書を法務局に提出しなければなりません。登記変更申請書の作成は、司法書士の専属業務で行政書士が行うことはできません。この点については、弊所と提携している司法書士の先生をご紹介し、連携しました。また、資本金を500万円増資した結果、純資産が4000万円以上になることも確認をしました。
![]()
(2)手続2:東京都庁へ資本金変更届の提出
資本金を変更した場合には、変更から30日以内に、東京都庁へ資本金の変更届を登記簿謄本と一緒に提出しなければなりません。司法書士の先生から登記簿謄本の変更が完了した旨の報告を受けてから、都庁建設業課に資本金変更届の提出に行きました。
![]()
(3)手続き3:決算月の変更
直前決算(今年3月末)では、財産的要件を満たしていなかったので、本来であれば、次期決算(翌年3月)まで待つところですが、今回はそれができません。そこで、資本金の変更を経て、財産的要件を満たした時点で、決算月を5月に変更しました(翌年の3月から今年の5月に変更)。決算月の変更に関しては、顧問税理士の先生にお任せしました。
![]()
(4)手続4:技術者の変更
上記の財産的要件の準備と同時並行で、技術者の要件についても準備しなければなりません。特定建設業許可を取得するには、一級の営業所(専任)技術者の登録が必要だからです。この会社には、常勤の一級建築施工管理技士の方がいらっしゃったので、「二級建築施工管理技士から一級建築施工管理技士への営業所技術者変更届」を東京都庁に提出しました。
![]()
(5)手続5:決算変更届の提出
資本金を変更し財産的要件を満たし、決算期を変更し新たな決算期を迎えてから、決算変更届を提出いたしました。時系列で書くと以下のようになります。
(時系列)
『今年3月決算の時点では、特定建設業許可に必要な財産的要件を具備していなかった』
↓
『資本金を変更し、特定建設業許可に必要な財産的要件を備えた』
↓
「次回の決算(翌年3月)まで待てないので、決算月を5月末に変更した』
↓
『今年5月末決算では、特定建設業許可に必要な財産的要件を備えている』
↓
『今年5月末時点の決算変更届を東京都庁に今年7月中に提出した』
![]()
(6)手続6:般特新規申請の提出
実際には、決算変更届と般特新規申請(一般許可を特定許可に切り替えるための申請)を同時に提出しましたが、ここでは、便宜上分けて記載します。都庁の審査担当者は、①直前決算期(今年5月)の決算変更届で、特定建設業許可に必要な財産的要件を具備しているか確認し、②般特新規申請書類で技術者が特定建設業許可に必要な要件を具備しているか確認します。
![]()
(7)無事、工事の期日までに、特定建設業許可取得!
般特新規申請をしたのが今年7月でしたが、無事、8月中に特定建設業許可を取得することができました。「9月にある工事までに、特定建設業許可を取得したい」というお客様からのご依頼に無事、お応えすることができました。
少しでも早く特定建設業許可を取得したいとお考えの人へ

このページをお読みいただいてわかる通り、「直前の決算では財産的要件を満たしていない。でも、次の決算まで待てない。」そんな切迫した状況で、特定建設業許可を取得するには、決算期を前倒しするという方法があります。
しかし、「決算期の前倒し」によって特定建設業許可を取得するためには、増資・定款変更・登記簿謄本変更・納税申告・資本金変更届・決算変更届・般特新規申請といった、複数の手続きを、正しい順番で、かつスピーディーに進める必要があります。
しかも、これらの手続きは、行政書士だけで完結するものではありません。税理士・司法書士との連携が不可欠であり、どこか一つでも手続きが遅れれば、その分だけ許可取得も遅れ、最悪の場合、工期に間に合わないという事態にもなりかねません。
今回ご紹介した事例のお客様も、最初は他の行政書士に相談されていました。しかし「次の決算まで待つしかない」と言われてしまい、弊所にご相談いただきました。弊所では、税理士・司法書士と連携しながら、迅速かつ確実に手続きを進め、無事、工期までに特定建設業許可を取得することができました。
行政書士法人スマートサイドは、東京都の建設業許可取得を専門とする行政書士事務所です。年間100社以上の建設会社の許可取得・維持をサポートしており、「決算期の前倒しによる特定許可の取得」「会社設立直後の特定許可の取得」「他の行政書士に断られた案件の解決」など、難易度の高い案件での実績を多数有しています。
「決算期の前倒し」という手法は、知っているか知らないかで、許可取得のスピードが大きく変わります。しかし、知っていたとしても、正しい手順で手続きを進めなければ、時間だけが無駄になってしまいます。専門家に依頼することで、手続きのミスや遅れを防ぎ、最短での特定許可取得が実現します。
(事前予約制の有料相談のご案内)
弊所では、特定建設業許可の取得をお考えの方に向けて、事前予約制の有料相談(1時間/11,000円)を実施しています。なお、弊所では無料相談は承っておりません。一人ひとりのお客様に対して、質の高い打ち合わせ時間を確保するためです。
相談では、御社の現状(決算内容・資本金・技術者の状況・工期のスケジュールなど)をお聞きしたうえで、特定建設業許可を取得するための最適な方法をご提案いたします。「自社の状況で、本当に取得できるのか?」「どのくらいの期間がかかるのか?」といった疑問にも、具体的にお答えします。
「工期が迫っている」「他の行政書士に断られてしまった」「財産的要件を満たしているか不安だ」という方こそ、まずは弊所の有料相談をご活用ください。














