

東京都の建設業許可を取得・維持する専門家。大規模な会社の許可申請や、複雑な事案での許可維持を年間100社以上サポート。とくに「経営業務管理責任者の要件の証明」や、「営業所技術者の実務経験の証明」において、困難な状況にある会社を数多く支援してきた実績があり、お客さまからの信頼も厚い。「建設会社の社長が読む手続きの本(第2版)」を出版。 インタビューは、こちら。
1.管工事業とは?(対象工事の具体例つき)
管工事とは、冷暖房、冷凍冷蔵、空気調和、給排水、衛生などのための設備を設置する工事、または、金属製の管を使用して水、油、ガス、水蒸気等を送配するための設備を設置する工事のことをいいます。「うちの工事は管工事に該当するのか?」を判断しやすいように、東京都が発行している手引きを参考に、具体的な工事例を挙げます。
| 工事名 | 具体例 |
|---|---|
| 給排水・給湯設備工事 | キッチン・浴室・トイレなどの配管工事 |
| 空調設備工事 | エアコン・空気調和機の設置に伴う配管工事 |
| 冷暖房設備工事・冷凍冷蔵設備工事 | 冷媒配管、フロン類の漏洩防止工事を含む |
| ガス管配管工事 | 都市ガス・LPガスの配管設置 |
| ダクト工事 | 換気・空調用の風道設置 |
| 厨房設備工事 | 業務用厨房機器の配管を伴う設置工事 |
| 衛生設備工事・水洗便所設備工事 | トイレ・便器の取り換え工事 |
| 浄化槽工事 | 浄化槽を設置・交換・改修する工事 |
| 管内更生工事 | 既設の給排水管の内側を補修・更生する工事 |
| その他の工事 | 戸建て・マンション敷地内の給水管(配水小管)を設置する工事 |
これらのうち1つでも該当する工事を、税込み500万円以上の請負金額で施工する場合は、管工事業の建設業許可が必要になります。
2.管工事業と水道施設工事・清掃施設工事の違い
管工事業と間違えやすいのが「水道施設工事業」「清掃施設工事業」です。以下では、国土交通省の「建設業許可事務ガイドライン」を参考に、表を作成しました。判断のポイントは「誰が設置するか?」「どの範囲の設備か?」という点にあります。ただし、業種の判断に迷った際には、必ず、許可行政庁に相談していただくことをお勧めいたします。
上下水道施設の場合
| 工事の内容 | 該当業種 |
|---|---|
| 家屋などの施設の敷地内の配管工事、上水道等の配水小管を設置する工事 | 管工事業 |
| 上水道等の取水・浄水・配水施設、下水処理場内の処理設備を築造・設置する工事 | 水道施設工事業 |
| 公道下等の下水道の配管工事、下水処理場自体の敷地造成工事 | 土木一式工事業 |
し尿処理施設の場合
| 工事の内容 | 該当業種 |
|---|---|
| 浄化槽によりし尿を処理する施設の建設工事(規模の大小を問わない) | 管工事業 |
| 公共団体が設置するもので下水道により収集された汚水を処理する施設の建設工事 | 水道施設工事業 |
| 公共団体が設置するもので汲取方式により収集されたし尿を処理する施設の建設工事 | 清掃施設工事業 |
3.管工事業と機械器具設置工事・土木一式工事の違い
また、管工事業は、機械器具設置工事や土木一式工事と混合されやすい業種です。
| 工事 | それぞれの考え方 |
|---|---|
| 機械器具設置工事 | 電気工事・管工事・電気通信工事・消防施設工事などと重複する機械器具の設置工事は、原則としてそれぞれの専門工事に区分されます。いずれにも該当しない機械器具、または複合的な機械器具の設置のみが「機械器具設置工事」に該当します。 |
| 公害防止施設の工事 | 排水処理設備の設置 → 管工事/集塵設備の設置 → 機械器具設置工事、というように、防止対象の設備ごとに業種を区分します。 |
| 土木一式工事業 | 農業用水道・かんがい用配水施設の建設工事は、水道施設工事業ではなく土木一式工事業に該当します。 |
御社の行っている工事が、上記のどれか1つにでも当てはまる場合には、管工事の建設業許可を取得する必要がありそうです。
(管工事業の建設業許可取得でお困りの方へ)
■ 建設業許可(管工事)を取得したいけど、やり方がわからない…
■ 施工管理技士のような資格者がいないけど、管工事の許可が必要
■ 取引先からの要請で、急ぎで、管工事の建設業許可を取得しなければならない!
■ 空調設備や給排水設備の保守、点検だけでなく、工事も施工したい!
上記のようなことでお困りの方はいらっしゃいませんか?
ここまでの内容で、「自社の工事が管工事業に該当するか」はご確認いただけたかと思います。ここからは、実際に管工事業の建設業許可を取得するために必要な要件を、順を追って解説していきます。
なお、「管工事業の建設業許可を手っ取り早く取得したい」「手続きを専門家に依頼したい」という人は、こちらのページにある問い合わせフォームから、行政書士法人スマートサイドまでご依頼ください。行政書士法人スマートサイドは、東京都の建設業許可取得の専門家として、年間100社以上の建設業関連の申請手続きのサポートを行う行政書士法人です。
4.管工事業の建設業許可の要件(全体像)
管工事業に建設業許可取得に限らず、建設業許可の取得には、以下の要件を満たしていることが必要です。
- 経営業務の管理責任者(常勤役員等)
- 営業所技術者(旧:専任技術者)
- 誠実性
- 欠格要件
- 財産的要件
このうち、もっとも証明に苦労するのが「1.経営業務の管理責任者(常勤役員等)」の要件です。経営業務管理責任者の要件や証明方法について詳しく知りたい人は、下記ページを参考にしてください。
また、「2.営業所技術者(旧:専任技術者)」についての一般的な理解も、建設業許可取得には欠かせません。このページでは、東京都の建設業許可のうち、管工事業ならではのポイントに集約して重点的に記載しているため、建設業許可の営業所技術者についての基本的な要件を理解したい人は、以下のページを参考にしてください。
5.管工事業の営業所技術者(専任技術者)になれる資格一覧
管工事業は、建設業許可29業種の中でも民間資格が営業所技術者(専任技術者)として認められている数少ない業種です。国家資格がなくても、下表の資格があれば10年の実務経験を証明せずに許可を取得できます。
| 資格 | 実務経験 |
|---|---|
| 1級管工事施工管理技士 | 不要 |
| 2級管工事施工管理技士 | 不要 |
| 建築設備士 | 資格取得後1年以上 |
| 1級計装士 | 合格後1年以上 |
| 給水装置工事主任技術者 | 免状交付後1年以上 |
| 技能検定(空気調和設備配管・冷凍空気調和機器施工、給排水衛生設備配管、配管〈建築配管作業〉・配管工、建築板金〈ダクト板金作業〉) | 2級は合格後3年以上 |
| 登録配管基幹技能者 | 不要 |
| 登録ダクト基幹技能者 | 不要 |
| 登録冷凍空調基幹技能者 | 不要 |
| 登録計装基幹技能者 | 不要 |
上記に掲げた「管工事施工管理技士」などの資格を持っていないと、管工事の建設業許可を取得することはできないのかというと、そんなことはありません。資格や指定学科の卒業という経歴の代わりに「10年の実務経験」を証明することによって、営業所技術者になることは可能です。
10年の実務経験とは、過去10年間に渡り、管工事を請け負い・施工した実績をいいます。
10年の実務経験を証明するには
- 10年間の常勤が確認できる資料
- 10年間の実務経験を証明できる資料
2つの証明が必要になります。
(1)10年間の『常勤』が確認できる資料
「厚生年金被保険者記録照会回答票」「住民税特別徴収税額通知書」「確定申告書」が、10年間の『常勤』を証明できる資料になります。
10年の実務経験の証明は、ただ単に「10年間、管工事をやっていました」ということを証明するのではなく、「どこかの会社に勤務して、管工事を10年以上に渡って施工していたか?」を証明しなくてはなりません。まずは、「勤め人」として10年間会社に勤務していたか?もしくは「個人事業主」「役員」として10年以上、管工事を行っていたか?を確認できる資料として、
■ 厚生年金被保険者記録照会回答票
■ 住民税特別徴収税額通知書
■ 確定申告書
を確認してみましょう。厚生年金被保険者記録照会回答票は、最寄りの年金事務所で比較的簡単に取得できますので、10年間の『常勤』を証明するのにお勧めです(なお、東京都以外の他県では、上記の資料を必要としない県もありますので、東京都で建設業許可を取るのか?それとも、他県で建設業許可を取るのか?の判断も、必要になってきます)。
(2)10年間の『実務経験』が確認できる資料
「10年間の常勤性」が確認できたら、次は、「その10年の間、ちゃんと管工事をやっていましたよ」という『10年間の実務経験の証明』が必要になります。強いて言えば(1)は、「10年間という在籍期間」の証明で、(2)は「10年間の工事内容」の証明です。この『10年間の実務経験の証明』に必要な資料としては、管工事を施工していたことが明確にわかる
■ 工事請負契約書
■ 工事注文書
■ 請求書+入金記録
になります。東京都の場合「3か月につき1件。1年間で4件以上。10年間で40件以上。」の割合で、実務経験を証明していく必要があります。他県に建設業許可を申請する場合と比較して、かなり大量の資料の準備が必要になります。この資料を用意できるか否かが、国家資格のない人が建設業許可を取得できるか否かの分かれ目になってきます。
なお、「建設業許可取得に必要な実務経験」や「実務経験証明書の書き方(記入例)」については、以下のページで詳細に解説しています。管工事の10年の実務経験の証明でお困りの際は、ぜひ、下記ページも参考にしてみてください。
(3)管工事の実務経験を証明する際の注意点
10年の実務経験を証明して管工事の建設業許可を取得しようとする場合に、気を付けなければならないのが、空調機器や給排水設備の「保守・点検・メンテナンス」は、「管工事」の実務経験としてカウントされないという点です。「管工事の建設業許可を取得したい」というお客様の中には、「保守・点検・メンテナンス」が主たる業務サービスで、設置工事は年に数回やる程度、といった会社もあると思います。その場合「保守・点検・メンテナンス」は「工事の請負」には該当しないので、どんなに「保守・点検・メンテナンス」の経験や件数が多かったとしても、「管工事の実務経験」には含まれないケースがあります。
この場合には「保守・点検・メンテナンス」と「空調機器や給排水設備の設置工事」とを明確に分離し、「空調機器や給排水設備の設置工事」の件数をカウントしていく必要があります。
- 機械工学科の卒業経歴を使ったケース
- 個人事業主+代表取締役の経験年数を合算したケース
- 厚生年金被保険者記録照会回答票にて10年の常勤性を証明したケース
- 前の会社と今の会社の経験を合算して10年の実務経験を証明したケース
など、さまざまなケースで管工事の建設業許可を取得した実績をご紹介しています。ぜひ、御社が管工事の建設業許可を取得する際の、参考にしてみてください。
(管工事業の建設業許可取得実績:その1)
国家資格がなくても10年の実務経験がなくても、指定学科の卒業経歴があれば、管工事の建設業許可を取得することは可能です。
| 本店所在地 | 内容 |
|---|---|
| 東京都 中央区 |
管工事の指定学科に該当する「機械工学科」の卒業経歴を使って、管工事の建設業許可を取得することに成功 |
(管工事業の建設業許可取得実績:その2)
経営業務管理責任者の要件を証明するには、「個人事業主+役員の経験」を合算して5年以上あれば、大丈夫です。法人成りして数年しかたっていなくても、個人時代の経験との合算で、管工事の建設業許可を取得しました。
| 本店所在地 | 内容 |
|---|---|
| 東京都 墨田区 |
「個人事業主としての3年」と「代表取締役としての2年」の経験を証明し、管工事の許可を取得 |
(管工事業の建設業許可取得実績:その3)
営業所技術者の10年の実務経験の証明を「確定申告書+年金記録照会回答票」で行った事例です。東京都の独自ルールに対応した事案ですので、ぜひ、参考にしてみてください。
| 本店所在地 | 内容 |
|---|---|
| 東京都 渋谷区 |
「確定申告書+厚生年金被保険者記録照会回答票」で10年の実務経験を証明し、東京都建設業許可を取得 |
(管工事業の建設業許可取得実績:その4)
すでに持っている電気工事に管工事を追加したいといったお客様からのご依頼です。国家資格も、指定学科の卒業経歴も、どちらもなかったので、10年の実務経験を証明し、管工事の追加に成功しました。
| 本店所在地 | 内容 |
|---|---|
| 東京都 豊島区 |
実務経験(前の会社+今の会社)10年の証明に成功し、電気工事の建設業許可にあらたに管工事の建設業許可を追加 |
(管工事業の建設業許可取得実績:その5)
管工事の実務経験120件分を証明し、無事、東京都の建設業許可を取得した事案です。10年の実務経験の証明をすることは、管工事の建設業許可を取得する際のスタンダードなやり方でもあります
| 本店所在地 | 内容 |
|---|---|
| 東京都 葛飾区 |
管工事の建設業許可を取得。10年間の実務経験の証明を無事クリアし、国家資格なしでも許可を取得 |
| 都に支払う費用 |
行政書士報酬 |
お支払い額合計 |
|
| 標準的なケース | 90,000円 | 330,000円 | 420,000円 |
(建設業許可取得にかかる期間)
| スケジュール | 日数 |
|---|---|
| 問合せ~面談 | 1週間程度 |
| 面談~書類収集・書類作成 | 2週間程度 |
| 最終確認~申請 | 1週間程度 |
| 合計 | お問合せ~許可申請まで1か月程度 |
9.管工事業の建設業許可取得でお困りの経営者さまへ
建設業許可の申請は、要件を満たしているかどうかの確認、必要書類の収集、行政庁とのやり取りなど、一つひとつは地味でも、抜け漏れが許されない作業の積み重ねです。「手引きを読んでも、結局何から手をつければいいのか分からない」「自分で進めてみたが、途中で行き詰まってしまった」というのは、決して珍しいことではありません。
行政書士法人スマートサイドは、東京都における建設業許可の取得を専門としており、これまで管工事業をはじめとする数多くの業種で、許可取得を支援してきました。とくに管工事業は、対象となる工事の線引きが分かりづらく、営業所技術者の要件も「資格」「学歴」「10年の実務経験」と複数の方法が存在するため、どの方法で進めるのが御社にとって最短・確実なのか、案件ごとに見極める必要がある業種です。表面的なチェックリストだけでは判断がつかない部分こそ、専門家が力を発揮できるところだと考えています。
行政書士法人スマートサイドでは、事前予約制の有料相談を実施しています。無料相談のような形式的なご案内ではなく、御社の経営業務管理責任者の経歴、営業所技術者の保有資格の有無、これまでの工事実績や保存されている書類の状況まで、個別の事情を一つひとつ詳細にお伺いした上で、
■ どの要件を、どの資料で証明するのが最も早く確実か
■ 不足している書類がある場合、どう補うのが現実的か
■ 許可取得までのスケジュールをどう組むべきか
といった点について、個別具体的に「進め方」をご提案させていただきます。実際、「他の事務所に相談したが要件を満たせないと言われた」「自分で進めていたが、このままで本当に許可が下りるのか不安になった」というお客さまが、有料相談を経て許可取得に至ったケースも少なくありません。
管工事の建設業許可でお困りの際、あるいは「まず自社の状況を専門家に整理してほしい」とお考えの際は、ぜひ一度、行政書士法人スマートサイドの有料相談をご活用ください。御社にとって最適な進め方をご提案し、許可取得の完了まで責任を持ってサポートいたします。














