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皆さんは、経営事項審査の結果である総合評定値P点を、自分の会社にとって有利なように選択することができるのをご存知でしょうか?
意外にも?!あまり知られていないようですが、経営事項審査では、
選択することができます。
この選択を誤ると、会社の業績によってはP点が大幅にダウンしてしまうこともあります。言い換えると、仮に、会社の業績が悪くなりつつあったとしても、経審の受け方次第では「P点がそれほど悪くなりにくい」ということもできるのです。
そこで、このページでは、弊所にて実際に経審を申請した際の申請実績を参考にして「完成工事高の2年平均・3年平均」「自己資本額の基準決算・2期平均」の組み合わせによって、P点の大幅なダウンを回避したケースの解説をしていきたいと思います。
会社所在地 | 東京都板橋区 |
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業種 | 解体工事 |
相談内容 | 3年前から業績が悪化している。今までは、公共工事を落札できていたので、何とか持ちこたえていたが、完工高の減少に伴い、だんだんと、会社運営が厳しくなってきた。 今回、経審を受けるにあたって、P点の大幅なダウンを何とか回避したい! |
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申請内容 |
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数年前から、弊所に経営事項審査をご依頼いただいているお客様からのご相談です。ここ数年、とくに3年前から、業績が悪化し、売上高が減少し純資産もだいぶ減ってきてしまったとのこと。「今回も、前回同様、経営事項審査を受けたいが、P点が悪くなるのはできる限り避けたい。何か良い方法なないか?」というご相談です。
確かに、財務諸表を拝見すると、完成工事高が、多いときの3分の1程度までに減ってきてしまっていました。これは、コロナの関係で、工事が一時ストップしてしまった影響もあるようですが、このままだとP点が悪くなり、P点が悪くなると公共工事への参入にも支障が出てきてしまいます。
税理士には資金繰りをお願いするとともに、社労士には助成金などで協力をしてもらっていたようです。
弊所には、可能な限りで構わないので、業績の悪化を経審の結果に反映させないような申請方法をして欲しいとのご依頼がありました。
まずは、過去3年分の経営状況を把握する必要があります。冒頭に記載したように、経審では「完成工事高を2年平均もしくは3年平均」「自己資本額を基準決算もしくは2期平均」と使い分けることができるからです。
事業年度 | 完成工事高 | 自己資本額 |
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前々期 | 389.000千円 | 40.000千円 |
前期 | 201.000千円 | 23.000千円 |
今期 | 158.000千円 | -12.000千円 |
まず、完成工事高について2年平均を選択した場合、今回の経審での完成工事高は
になります。
続いて、完成工事高について3年平均を選択した場合、今回の経審での完成工事高は
にすることができます。
解体工事の完成工事高が、179.500千円と249.333千円とでは、249.333千円のほうが、経審を受ける際に、有利です。ですので、今回の経審では、完成工事高は「2年平均」ではなく「3年平均」を採用しました。
「今まで、2年平均を採用して来たから」とか「去年は2年平均で経審を受けたから」といった理由で、2年平均を採用することがないように注意してください。『完成工事高を「2年平均」にするか?「3年平均」にするか?』は、自由に選択することができます。
まず、自己資本額について、基準決算を採用した場合、今回提出する経審の自己資本額は
になります。
続いて、自己資本額について、2期平均を採用した場合、今回提出する経審の自己資本額は
になります。
自己資本額が、-12.000千円と5.500千円とでは、5.500千円のほうが、経審を受ける際に、有利ですので、今回の経審では、自己資本額は「基準決算」ではなく、「2期平均」を採用しました。
自己資本額の場合、3期平均というのはありませんので、「基準決算か?」「2期平均か?」のどちらかを選択することになります。自己資本額は『「基準決算」にするか?「2期平均」にするか?』どちらでも自由に選択することができます。
以上、見てきたように、完成工事高(2年平均or3年平均)と自己資本額(基準決算or2期平均)の組み合わせ方は、全部で4通りあります。下記のパターン①~④を参考にしてください。
どのパターンを採用すれば、経審の結果であるP点が一番高くなるのか?しっかりと確認をしたうえで、申請書類を作成し、経審を受審しなければなりません。
パターン | 完成工事高 (2年平均or3年平均) | 自己資本額 (基準決算or2期平均) |
---|---|---|
① | 2年平均 | 基準決算 |
② | 2年平均 | 2期平均 |
③ | 3年平均 | 基準決算 |
④ | 3年平均 | 2期平均 |
今回の経審を受けるにあたってP点をシミュレーションした結果は、以下の通りです。なお、シミュレーションは、ワイズ公共データシステムの電子申請支援システムを利用して行っています。
パターン | 総合評定値P点 | |
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① | 725点 | |
② | 734点 | |
③ | 737点 | |
④ | 747点 |
「完成工事高3年平均・自己資本額2期平均」を採用した場合が、一番、P点の点数が高いのがわかります。
最高得点747点(④)と最低得点725点(①)との間には、22点もの開きがあります。これは、数字を修正したり、金額を訂正したり、技術職員名簿に技術職員の記載を追加したりしたわけではありません。完成工事高と自己資本額の組み合わせ・選択の仕方を変えるだけで、22点もの開きが出てきてしまうのです。
このように経審を受ける際には、
という点を事前に確認(シミュレーション)することを強くお勧めいたします。
今回のお客様は、継続して弊所サービスを利用して経審を受審しているお客様でした。そのため「完成工事高の2年平均もしくは3年平均の選択」「自己資本額の基準決算もしくは2期平均の選択」のいずれも申請会社にとって、1番有利な選択をスムーズに行うことができました。
しかし、
には、どういった申請を行うのが自社にとって有利なのかをわからないまま、経審を惰性で受けていることがあるかもしれません。
この事案で見てきたように、他の数字をまったく変えていないのに、最大でP点に22点もの違いが出てくることがあるわけです。これを知らずに、パターン①の「完成工事高=2年平均」「自己資本額=基準決算」を採用していたら、本当にもったいないとしか言いようがありません。
行政書士法人スマートサイドでは、上記のようなことがないように事前にシミュレーションを行い、大体の点数を把握したうえで、どういった申請方法が申請者にとって一番有利なのかを把握したうえで、経審の申請を行っています。
業績が悪化している...、年を追うごとにP点の点数が下がってきている...といった会社は、ぜひ、この記事を参考にしてみてください。
【この記事の監修・執筆責任者】 東京都行政書士会:文京支部所属(行政書士登録番号:14081073) 行政書士法人スマートサイド:代表:横内賢郎/出版実績一覧はこちら 「技術職員100名以上」「年間売上100億円超」「全国展開している大臣許可業者」など大規模事業者の申請手続きも、得意としている事務所です。 |
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