正式にご依頼を頂いた7営業日後に、経営事項審査を受審することができました!!

取引先から、

  • 経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書を出してほしい
  • 経営事項審査を受けて欲しい

と言われた経験のある方はいらっしゃいませんか?

  • そんなもの、いきなり出せといわれても…
  • 経営事項審査って、ナニ…

と面食らってしまったのではないでしょうか?「経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書」「経営事項審査」といった言葉は、普段聞きなれないだけあって、いきなり取引先から催促されても、戸惑ってしまうのは無理もありません。

今回の事案は、そんな建設会社さまからのお問合せでした。ネットを検索し、行政書士事務所のHPを探しているうちに、このサイトにたどりついたとの事でした。

『ともかく急いでいる』『周りにやってくれる人がいない』というような建設業者さまは、ぜひ、今回の事案を参考にしてみてください。なお、実際には、入札参加資格申請までを受任していますが、「経営事項審査を受けて、経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書を取得するところまで」を実績としてご紹介させて頂きます。

2020年4月の申請実績

概要

会社所在地 東京都中央区
業種 建築一式・内装工事
日にち 2020年4月

相談内容

相談内容 取引先から、「経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書を出してほしい」「経営事項審査を受けて欲しい」という催促を受けている。

どうしても急ぎで入札参加資格を取得したいので、すべての手続きを丸々お願いしたい。

申請内容

申請内容
  • 経営事項審査申請
  • 入札参加資格申請

弊所の対応とコメント

行政書士法人スマートサイドの対応

取引先から催促されていることについては、状況を理解しました。弊所に経審のご依頼をされるお客様の中では、よくあることです。

初回の面談・ヒアリングの際に注意したのは、下記2点です。

(1)そもそも、スケジュール的に間に合うのか?

(2)現時点、どこまで、準備が出来ているのか?


(1)について

そもそも、スケジュールに間に合わなのであれば、受任することはできません。できないこと(お客様のご要望にお応えできないこと)を「やってみます!」といって、お客様に期待を持たせて作業を開始することは、お客様の期待を裏切ることになるからです。

今回の事案では、例えば『今週中に経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書が欲しい』といった物理的・時間的に無理なご依頼ではなく、具体的な期限は置いといて、「ともかく急いで、最短で」ということでしたので、スケジュールを調整しつつ、最短でゴールを目指す方向にしました。


 


(2)について

どんなにこちら側が急ぎで対応したとしても、お客様の方で、まったく準備が整っていない、書類の整理が出来ていないといった場合には、やはり、受任をお断りするしかありません。

決算変更届の提出がされていない、過去分の申請書類をファイリングしていないなど、経審に必要な書類を整理できていない会社は意外と多いです。

今回の事案では、面談時に

  • 決算変更届が漏れなく提出できていること
  • 過去分の申請書類を確認し、大体の会社の状況を把握できたこと

から、お客様のご希望に沿う、最短での経審受審が可能ではないかと判断しました。


 

上記(1)(2)の結果、この案件を受任し、早速弊所で作業を開始することにしました。

(1)まずは、経審の予約を!

東京都の場合、経営事項審査は予約制になっています。そのため、今回の事案でもまずは予約を入れるところから開始します。よくありがちなミスとして、

  • 書類がある程度整った段階で予約を入れればよい…

と考えている方もいるようですが、それでは「予約に空きがなく、実際の申請が1ケ月以上先になる」ということも、稀ではありません。

とくに、お客様の要望で急ぐ必要がある今回のようなケースでは、何よりもまず、予約を入れてしまうというのが、私の流儀です。

(2)財務諸表(3年分)を税抜き表記に!

経営事項審査の際に提出する書類は、すべて、税抜き表記であることが必須です。

本件の場合、前任行政書士が決算変更届の書類をすべて税込みで作成していました。この書類をそのまま経審で利用することはできません。

そのため、まずは、財務諸表3年分を税抜き表記に書き換える作業を行いました。これから経営事項審査を受けようと考えている方は、財務諸表は、絶対に税抜きで作成しておくことを強くお勧めいたします。

(3)経営状況分析を!

(2)で「まずは、財務諸表3年分を税抜き表記に書き換える作業」を行った理由は、経営事項審査を受けるには、先に経営状況分析を受ける必要があって、初めて経営状況分析を受けるには、財務諸表3年分が必要であって、その財務諸表3年分は、すべて税抜き表記である必要があるからです。

初心者の方には、ちょっとわかりづらいかもしれませんね。

  1. 財務諸表3年分を税抜き表記に書き換える
  2. 経営状況分析を受ける
  3. 経営事項審査を受ける

といった時系列になります。

「3.経営事項審査を受ける」には、「2.経営状況分析を受ける」必要があり、「2.経営状況分析を受ける」には、「1.財務諸表3年分を税抜き表記に書き換える」必要があったわけです。

なお、今回の事案でもそうでしたが、弊所では、経営状況分析をワイズ公共データシステムに電子申請で送信しています。郵送で行うより2~3日程度、時間が短縮できますので、急ぎの際は、電子申請をお勧めいたします。

(4)経営事項審査に必要な書類の準備!

本件のような急ぐ必要がある事案で、もっとも重要なのは、経営事項審査の書類準備を「いかに正確に、そして素早く、無駄なく行うか」といった点ではないでしょうか?

  • 工事経歴書のつくり直し

すでにご存じの方も多いと思いますが、経営事項審査を受審するには、経営事項審査用の工事経歴書の書き方をしなければなりません。前述のように、前任の行政書士は、工事経歴書を経審用には作成していなかったので、経審用のルールに書き換える作業を行いました。

ちなみに経審用の工事経歴書の書き方のルールは、「元請工事の金額の大きい方から元請工事全体の金額の7割に至るまで記載し、その後、元請・下請関係なく金額の大きい方から完成工事高全体の7割に至るまで記載する」というものです。

  • 工事経歴書上位5件の確認資料

工事経歴書を経審用に書き直した後には、工事経歴書の上位5件の「契約書」「請書・注文書」「請求書・通帳」など確認資料のコピーを、お客さまから頂きました。

  • その他の確認資料

その他、経営事項審査には、以下のような書類も必要になります。

  • 建設業許可証の原本
  • 資格者の合格証のコピー
  • 健康保険、厚生年金被保険者、標準報酬決定通知書の原本
  • 健康保険証のコピー
  • 社会保険の支払いが分かる領収書など

これらの書類がいかに早く正確に出てくるか?といった点が、経営事項審査をどれだけ早く終わらせることができるかのポイントになります。

(5)いざ経営事項審査に!

(1)で予約した期限に間に合うように(4)の準備を整え、いざ、経営事項審査を受審します。弊所では、経営事項審査の際に、審査担当者にストレスなく書類をチェックしてもらうために、以下のような工夫をしています。

  • 提出書類は、すべて手引きに記載のある順番に並べて提出する。
  • 資格証のコピー、納税証明書、社会保険の領収書などは、ひとくくりにせず、1つずつ、クリアファイルに入れて、すぐに分かるようにしておく。
  • 工事契約書などの実績を確認するのに必要な資料は、「どの工事の上位何番目の実績なのか」が分かるように付箋を貼っておく。

など…

上記のような工夫は、審査担当者にストレスなく審査を行ってもらうためというほかに、自分自身が、書類を事前チェックする際に、とても役立ちます。漏れがあったり、不備があったりすると一目でわかるからです。

特に、本件のように少しでも急ぎで対応しなければならない場合、書類の不備、審査のやり直しは、あってはならないミスです。いつも以上に念入りに確認・準備をしたのは言うまでもありません。

(6)無事、お客様の期待に沿う形で結果通知書を受領

経営事項審査の際にも、経審が終わった後も、なんら不備を指摘されることなく、お客様の期待に沿う形で無事、「経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書」を受領することが出来ました。

なお、下記に、今回の事案の「お問合せ~結果通知書の受領」に至るまでの、実際の作業工程(日程)を記載させて頂きます。

<実際のスケジュール>

4/  3(金) お問合せ
4/  6(月) 面談・ヒアリング
4/  7(火) 正式受任
4/  8(水) 都庁で経審の予約
4/12(日) 分析申請
4/15(水) 分析結果受領
4/16(木) 経営事項審査受審(正式受任から7営業日目)
4/30(木) 経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書受領

コメント

正式受任から7営業日目に経審を受審したという「急ぎの事案のご紹介」でしたが、如何でしたか?弊所としては、ものすごく短い部類の申請にあたるのですが、なんとなくお分かりいただけたでしょうか?

「経営事項審査を受ける」「経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書を取得する」ということは、その後の公共工事を見据えてのことです。冒頭にも書きましたが、本件のように、どうしても急いで欲しいという場合、公共工事の期限から逆算して、

  1. 本当にスケジュールに間に合うのか?
  2. そのスケジュールに間に合わせるための準備が出来ているのか?

が重要なポイントになります。そもそも、スケジュールに絶対に間に合わないのであれば、どんなに依頼されてもお断りせざるを得ません。

また、よくあるケースとして、経審を受けたい…だけど

  • 決算変更届を出していない
  • 決算変更届を出しているかどうかわからない

といったケースもあります。これでは、どんなに急ぎで経審を受けたいといっても、なかなかうまくは行きません。経審を受けるには、決算変更届(事業年度終了届)が出ていることが必須だからです。

今回の事案では、過去分の決算変更届は、漏れなく提出されていました。また、私が提出をお願いした「工事実績を証明するための確認資料」「確定申告書類一式」「過去分の申請書類」などの準備も、とても素早い対応で、メールで依頼した翌日には、弊所に宅配便で届くといったスピード感がありました。

これとは逆に

  • 出してくださいといった書類がなかなか出てこない
  • 委任状がいつまでたっても返ってこない
  • 送信したメールを見ていない

などの問題があると、何日たっても、何カ月たっても、経審を受審することはできません。

最後に、本事案では、都庁に、経審の予約にキャンセルがないか、数回にわたって確認の電話を入れています。当初の予約日時は、4月下旬でした。しかし、これでは遅いです。予約に空きがないと、せっかく急ぎで対応したとしても、経審の受審までに無駄に日数を取られることになってしまいます。

多い時には1日2回、キャンセルが発生していないか確認の電話を入れました。その結果、他社の予約のキャンセルがあり、当初の予約より2週間程度早く経審を受審することが出来ました。

どうしても急ぎの際には、経審の予約にキャンセルがないかどうか確認してみてください。思いのほか、申請日時が早まることがあるかもしれません。

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