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このページでは、前任の専任技術者がお亡くなりになってから、6か月を経過したのちに、新しい専任技術者に変更することができたという事案について解説いたします。建設業法上は、専任技術者の変更は、変更後2週間以内に届け出ることになっていますので、あくまでも、イレギュラーな対応として、参考にしていただければと思います。
「とび・土工・コンクリート工事」を担当している専任技術者が86才というご高齢のため亡くなってしまったケースです。専任技術者の常勤は、建設業許可取得の要件であるのみならず、建設業許可維持の要件でもあります。
専任技術者がお亡くなりになれば、建設業許可の要件を満たしていないため、許可を維持することができず、廃業届を提出する必要があります。もっとも、後任の専任技術者が在籍していれば、専任技術者の変更届を提出することによって、許可を維持することは可能です。
新任の専任技術者の要件(資格・実務経験・常勤性など)を、簡単に証明できる場合は良いのですが、今回のケースでは、
からかなり難しい事案でした。以下、この事案の詳細を記載しますので、ぜひ参考にしてみてください。
会社所在地 | 東京都渋谷区 |
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業種 | とび・土工・コンクリート工事業 |
相談内容 | とび・土工・コンクリート工事を担当している専任技術者が86才で亡くなってしまった。建設業許可を切らすわけにはいかない。社内で、後任を探しているか、資格・要件などを誰も満たしていない。 都庁に相談に行ったところ、年間200件以上の実績が必要だと言われた。 行政書士法人スマートサイドでどうにかできないか? |
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申請内容 | ・専任技術者の変更(建設業許可の維持) |
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今回の案件は、以前から付き合いのある事業者さまからのご相談でした。決算変更届や役員変更届など、都庁への届出を怠っていない事業者様です。
専任技術者が退職・死亡などで居なくなってしまえば、許可を維持することができないので、最悪の場合「とび・土工・コンクリート工事」の許可を失うかもしれないことは十分に説明をしました。
と同時に、従業員の方の資格や学歴(卒業学科)を調べて頂き、使えそうな資格・学科を一覧にしてすべて提出してもらいました。
そのうえで、
をご理解いただいたうえで、受任する運びとなりました。
まず、前提知識として、専任技術者の常勤は、建設業許可取得の要件のみならず、建設業許可維持の要件でもあります。建設業許可を取得するときだけでなく、建設業許可を取得した後も、専任技術者の方には、会社に常勤して頂かなければなりません。
そのため、専任技術者が退職・死亡などの理由で居なくなってしまった場合、専任技術者が退職・死亡した時点で後任の専任技術者が在籍していないと許可を維持することはできません。
例えば、現・専任技術者が3月31日に退職する場合、新・専任技術者は4月1日に入社していなければなりません(実際には、引継ぎ作業などがあるはずなので、4月1日よりも前に入社手続きを済ませていると思います)。
現・専任技術者の退職や退社は、ある程度予測がつくかもしれませんが、「死亡」となると予測がつくものではありませんね。縁起でもない話ですが、現・専任技術者が、仮に6月10日に亡くなってしまったとしたら、6月10日か、もしくは翌11日には、新・専任技術者が御社に常勤していなければなりません。
現・専任技術者が3月31日に退職したのに、新・専任技術者の入社が4月3日であった場合。その会社には、「4月1日、2日の2日間」専任技術者が存在していなかったことになります。そのため、許可を維持することはできず、3月31日までの許可について廃業届を提出し、許可要件を満たした4月3日以降に新規許可を取得して頂かなければなりません。
現・専任技術者が6月10日に亡くなって、新・専任技術者が1週間後の6月17日に入社したという場合でも同様に、一度廃業届を提出し、再度新規許可を取得して頂かなくてはなりません。
後任の新・専任技術者が「国家資格」を保有しているとスムーズなのですが、新・専任技術者が「国家資格」を保有しておらず、実務経験の証明が必要な場合は、さらに考え方が難しくなります。
本件と同じように、「とび・土工・コンクリート工事」の建設業許可で検討していきましょう。
例えば、現・専任技術者が6月10日に亡くなってしまった場合。その時点で土木施工管理技士や建築施工管理技士などの国家資格を保有している方が御社に常勤していれば、問題ありません。許可を維持することは可能です。
しかし、国家資格を保有している社員がいない場合。国家資格がなければ、原則として「10年の実務経験+その間の常勤性」を証明しなければなりません。
この場合、現・専任技術者がなくなった6月10日の時点で、新・専任技術者の「10年の実務経験+その間の常勤性」が必要になります。国家資格保有者が誰もいない場合には、「10年の実務経験を有しており、しかもその間の常勤性を証明できる人」が6月10日の時点で、存在していなければならないのです。
この点には、十分に注意が必要です。建設業許可を維持できるか否かは、「現・専任技術者がお亡くなりになった時点で、他に要件を満たす人がいるか?」という判断です。国家資格者がいなければ10年の実務経験を証明する必要がありますが、その10年という期間は、現・専任技術者が亡くなった時点で経過していなければなりません。
例えば、『専任技術者のAさんが昨日亡くなりました。後任の専任技術者Bさんには、「とび・土工・コンクリート工事」の実務経験が9年8か月しかありません』というのであれば、Bさんが特別な学科を卒業していない限り、許可を維持することは不可能です。
一方で、『専任技術者のXさんが昨日亡くなりました。後任の専任技術者Yさんは、勤続30年のベテランで、その間、社会保険にも加入していて、常勤性も証明できます』というのであれば、許可を維持することは可能です。
本件では、現・専任技術者がお亡くなりになった時点で、とび・土工・コンクリート工事に必要な国家資格を保有している人はゼロでした。10年の実務経験を証明できる人もいません。これでは、許可を維持するのは難しく、最悪、「とび・土工・コンクリート工事の廃業届の提出」という事態を想定していました。
しかし社員の中に「建築室内設計科」という学科を卒業している方がいました。東京都の手引きを見ても、国土交通省の手引きを見ても「建築室内設計科」が指定学科に該当するとは書いてありません。
「室内設計」という文言からして、内装やデザインに関する学科?というイメージがあり、とび・土工・コンクリート工事とは一見すると何の関係もないように見えます。ただ、指定学科に該当すると10年の実務経験の証明が3~5年に短縮されます。そこで、「卒業証明書」「成績証明書」「履修科目証明書」などを取り寄せて頂き、実物をもって、都庁に相談に行くことにしました。
その結果、「建築室内設計科」の卒業資格は、「とび・土工・コンクリート工事」の指定学科に該当するという回答を頂くことができました。しかも、高度専任士であったため実務経験の証明は10年から3年に短縮されることになりました。
首の皮1枚のところで、許可維持への道がつながったのです。
(参考)
手引きには記載されていないものの、自分の卒業した学科が指定学科に該当していたというケースはよくあります。この場合、「卒業証明書」や「成績証明書」や「履修証明書」を都庁建設業課まで持参し、審査担当者に相談することになります。
1~2週間程度で指定学科に該当するかどうかの回答を頂けます。
あとは、新・専任技術者の方の3年間の実務経験とその間の常勤性の証明ができれば、無事、専任技術者の変更が完了し、許可を維持することができます。「専任技術者の前提知識:その2」のところでも書いたように、この「3年間」は、あくまでも現・専任技術者が亡くなるまでの3年間のことを言います。
現・専任技術者が亡くなくなるまでの3年間、「とび・土工・コンクリート工事」の実務経験と常勤性の証明が必要になります。
実務経験の証明は請求書と通帳で、常勤性の証明は健康保険証の記載で証明することができました。
上記のような経緯で、無事、変更届を提出し、「とび・土工・コンクリート工事」の許可を維持することができました。専任技術者が亡くなってから、変更届の提出までに約半年もかかったことになります。
「専任技術者が亡くなってから半年もたっているのに、変更届を受け付けてもらえたのですか?」という疑問を持つ方がいらっしゃるかもしれません。もちろん、専任技術者の変更届は変更後2週間以内に提出しなければならない旨、東京都の手引きにも明示されています。ですので、早いに越したことはありません。
もっとも、許可を維持できるか否かといった許可要件の有無は「専任技術者が亡くなった時点」で判断されます。その時点で、要件を満たした後任の専任技術者が在籍しているのであれば、届出の提出が遅かったからと言って、変更届を受け付けてくれないということは、今のところないようです。
実は、本件で事業者さま自身が都庁に相談に行った際に、建設業課の審査担当者から「とび・土工・コンクリート工事の実績を年間200件、3年間で600件以上提出してもらう必要がある」との指導を受けたそうです。この記事を読んでいる方の中にも、そのような指導を受けた方がいるかもしれませんね。
その場に居合わせたわけではないので、なぜそのような(年間200件、3年間で600件という)非現実的な件数を言ったのかはわかりません。
ですが、本件で、弊所が都庁に提出した件数は、38件(「ひと月につき1件」で「3年2か月分」)です。実務経験の証明は、少なくとも「ひと月に1件のペース」というのが私の認識です(3年間の実務経験の証明が必要であれば36か月分以上、5年間の実務経験の証明が必要であれば60か月分以上。36か月分あれば十分、60か月分あれば十分という話ではなく、少なくとも36か月分以上、60か月分以上です)。
今回も認識通りの提出で無事、変更できたことだけ書きとどめておきます。
今回の案件は、
などから非常に厳しい事案でした。冒頭にも書いたように最悪の場合、「とび・土工・コンクリート工事」を一度は廃業し、再度、許可を取得しなおす必要がありました。
そうならずにうまく許可を維持できた要因は、本文に記載した通りです。建設業者に限らないことではありますが、どの会社も従業員の高齢化や人手不足は深刻です。
そのようななかで、建設業許可を切らすことなく維持し続けるのは、簡単なものではありません。専任技術者の変更・建設業許可の維持でお困りの際には、ぜひ、行政書士法人スマートサイドまで、下記、問い合わせフォームからご連絡をください。
行政書士法人スマートサイドでは、相談者1人1人への適切な対応、質の高い面談時間の提供・確保の見地から、初回に限り、1時間あたり11,000円の相談料を頂いております。
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