東京都・関東地方整備局への「建設業許可の取得・維持」のための申請・届出なら行政書士法人スマートサイドへ
東京都知事許可・国土交通大臣許可の建設業申請の手続きなら
行政書士法人スマートサイド
~都庁・関東地方整備局への建設業許可申請に精通した行政書士事務所~
〒112-0002 東京都文京区小石川1-3-23 ル・ビジュー601
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建設業許可を持っている事業者の中には、民間の工事だけではなく、公共工事に参入し売上アップを図りたいと検討されている方も多いのではないでしょうか?
ひとことで「公共工事の入札に参加したい」といっても、事前の準備や必要な手続きが山積みであるといったイメージは想像に難くないかもしれません。
建設業許可の届出や経営事項審査といった行政庁に対する届出は、行政書士の仕事であるといった認識をお持ちの方もいらっしゃると思いますが、行政書士事務所にも専門分野や得意・不得意があるらしく、すべての行政書士事務所が、経審・入札に対応しているかというと、そうでもないようです。
今回は、経営事項審査や入札参加資格とった公共工事の入札に至る手続きの流れを知りたいといった建設業者のご要望にお答えして、東京都の経審・入札の専門家、横内行政書士法務事務所の横内賢郎先生にロングインタビュー。
手続きの流れや、スケジュールについてはもちろんのこと、他では聞けない裏話についても、ざっくばらんにお話して頂きたいと思います。
それではインタビューを開始いたします。
ーこのインタビュー記事をお読みの方には、横内先生のことを知らない方もいらっしゃると思いますので、まずは、行政書士法人スマートサイドがどんな事務所かも含めて、簡単に自己紹介をしていただければと思います。
はい。わかりました。
まずは、簡単に、スマートサイドについて、説明をさせて頂きます。私は、行政書士法人スマートサイドの行政書士、横内賢郎です。
行政書士法人スマートサイドは、2014年に開業した比較的若い事務所と言えるかもしれません。令和3年の現時点では、私のほかにスタッフ2名、合計3名で事務所を運営しています。
うちの事務所の特徴は、2014年の開業当初から「建設業者さま支援の事務所」として、建設業関係の書類作成・届出を専門業務として扱っているところにあります。
行政書士事務所の中には「外国人の在留資格」「創業融資・補助金・資金調達」「離婚や遺言などの民事関係業務」「飲食店や酒店などの営業許可」を専門にした事務所もありますが、うちはそういったことは一切やってません。建設業に関する申請がメインとなっています。
ー開業当初から、経審や入札をメインとされていたのですか?
開業当初も経営事項審査や入札参加資格申請のご依頼はありましたが、開業当初は、むしろ、建設業許可の新規申請、更新申請、変更届の作成・提出の比重が多かったです。
現在では、経審や入札の比重が増えて、事務所の業務の7~8割は、経審・入札業務になっています。
開業当初に、うちの事務所のサービスを利用して建設業許可を取得した事業者さまが、今度は、公共工事の入札に参加したいといって、リピーターになってくださったり、業種追加申請をご依頼いただいたお客様から、東京都の入札に参加したいので、経営事項審査の手続きをお願いしたいといった依頼を受けるようになり、徐々に「建設業許可取得や建設業許可の変更届」といった業務から、「経営事項審査申請や入札参加資格申請」といった業務が増えていったという流れです。
おかげさまで、今では一人で業務を処理することが出来なくなり、スタッフを雇ってお手伝いしてもらうくらいの事務所になりました。
ーどういった形でご依頼を受けることが多いのですか?
はい。
うちの事務所は「ホームページを見た」といってご連絡を頂くことがほとんどです。建設業許可や経営事項審査に関する情報、申請実績、注意点などは、可能な限りホームページで公開していますので、ネットを検索して、横内行政書士法務事務所のホームページを見つけたので、依頼をするに至ったという人がほとんどです。
ーたしかに、横内先生のホームページは、情報が充実していますね。
ありがとうございます。
これは、私のポリシーでもあるんですが、建設業者さまの中には、建設業許可取得や経営事項審査や入札参加資格に関して困っている人が多いと思うんですね。どれをとっても、簡単な手続きではないので。
だから、私のような経験を積んだ専門家が、ある程度分かりやすい文章で、詳細に申請実績や申請の際の注意点をホームページ上に公開することによって、いろんな意味で情報共有ができればと思っているわけです。
その中で、本当に困っている人や、私のことを気に入ってくれた人は、ホームページ経由で、弊所に「経営事項審査」や「入札参加資格申請」について、ご依頼を頂いているといった感じです。
もちろん、周りに行政書士の知り合いがいたり、付き合いのある行政書士事務所があれば、そちらに手続きを依頼すればよいわけですが、先ほどお話したように、行政書士事務所にも「得意」「不得意」があります。
とりわけ、経営事項審査や入札参加資格申請といった手続きは、行政書士業務の中でも難しい部類の業務になります。中には、建設業許可の取得はできるけど、経営事項審査や入札参加資格の申請はできないといった事務所もあるくらいですから。
そういった意味で、ネットを通じてお客様からのご依頼が多数あるというのは、うちの事務所の特徴かもしれませんね。自己紹介はこれくらいで良いですかね(笑)
ー自己紹介、ありがとうございました。横内事務所が、どんな事務所か、よくわかりました。それでは本題に入っていきたいのですが、まずは、建設業者の方が、一番知りたがっているであろう、経営事項審査と入札参加資格申請の手続きについて、お話して頂けますでしょうか?
わかりました!
具体的な手続きの流れについて話す前に、まずは、前提となる基礎知識について、お話をさせて頂きたいと思います。この基礎知識があるとないのとでは、手続きの流れに対する理解度がまるで変わってきてしまいますので、しばしお付き合いをしてください。
まず、建設会社が公共工事に参入する場合には、建設業許可を取得していることが必要になります。建設業許可を取得していない会社が、公共工事に参入できることは、まず、ありません。
例えば、電気設備の保守・点検や、精密機械の販売などといった「役務の提供・委託・物品の販売」といった入札の参加資格を持つことはできても、公共工事の入札参加資格を持つことが出来ません。
続いて、経営事項審査や入札参加資格についてのルールは、自治体によって、かなり異なります。先ほど、お話したように弊所にはホームページを見ましたといってご依頼を頂くことがほとんどなのですが、たまに「北海道」「沖縄」「広島」といった遠方の地域からお問合せを頂くことがあります。
ただ、私は東京都の行政書士なので、東京都のルールを熟知していますが、北海道や沖縄といった他道府県のルールまでは、なかなか把握できていないのが現状です。
そのため、そういったお客様からのご依頼は断らざるを得ないのですが、専門家の私でさえ、ご依頼をお断りするくらい、「経審」「入札」に関する手続きの流れは、自治体によってバラバラです。
入札に参加したいといったお客様は、どこの自治体の入札に参加したいのか?どんな分野の入札に参加したいのか?といった点を、ご自身で考えておく必要があります。
以前「どんな分野の工事でもよい」「どこの自治体の入札でもよい」「ともかく簡単に落札できるところでお願いしたい」といった建設業者さまがいらっしゃいましたが、これでは、経審も入札も、そもそも手続きのしようがないことを十分に理解しておいてください。
ーなるほど、どんな分野の工事の入札に参加したいのか?どこの自治体の入札に参加したいのか?の2点が事前知識として重要なんですね。
はい。おっしゃる通り。
例えば、本社が東京都内にあって、東京都の公共工事の入札に参加したいのであれば、東京都の入札参加資格申請のルールに乗っ取って、経審を受けて、入札参加資格を申請する必要があります。
また、御社が東京都新宿区の建設業者で、新宿区の公共工事に参入したいのであれば、新宿区の入札参加資格を取得する必要があります。
さらに、御社が土木系の工事を得意としているなら、土木系の工事の経審を受けて、土木系の工事業種の入札参加資格を取得する必要があります。
もちろん、ある程度、相談しながら決めることもできるのですが、あくまでも大まかな会社としての方向性を事前に決めておいて頂かないと、手続きを開始することが出来ない場合もあるので、その辺は事前知識として押さえておいて欲しいところです。
ー経審や入札の手続きは、自治体によって異なるということですので、ここららは、横内先生の事務所のある東京都で経審や入札を行うといった場合について、説明して頂ければと思います。
はい。承知しました。
それでは、ここからは、あくまでも東京都知事の建設業者が、東京都(もしくは東京都内23区市町村)の入札参加資格を取得したいといった場合を想定して、お話を続けさせていただきます。
まず、全体的な流れから説明すると、建設会社が公共工事の入札に参加したいと思ったら、決算変更届(事業年度終了届)を提出し、経営状況分析を申請し、経営事項審査を受けたうえで、入札参加資格の申請をしなければなりません。
ー決算変更届?経営状況分析?
ちょっと、いろいろとわからないワードが出てきてしまったので、すみませんが、すこし説明をお願いできますでしょうか?
そうですね。手続きの流れについては、長年建設業を営んでいる社長でさえも、理解されている人が少ないので、ここでは、少し丁寧にお話をさせて頂きます。
まずは、決算変更届についてです。決算変更届は、事業年度終了届や決算報告などといった言い方もします。
これは、税理士さんが税務署に申告している「いわゆる決算報告」とは異なり、建設業許可業者は、許可権者である自治体(東京都知事許可業者であれば東京都、神奈川県知事許可業者であれば神奈川県)の建設業課に毎年事業年度終了後4か月以内に提出することが義務付けられている届出です。
ーということは、東京都知事許可業者の場合、決算変更届(事業年度終了届)を東京都建設業課に提出していないと、経営事項審査や入札参加資格申請ができないのですか?
はい。そうです。
決算変更届は、毎事業年度終了後4か月以内に提出することが求められています。決算変更届の提出漏れが1期分でもあると、経審や入札に進むことが出来ません。
建設業許可業者の中には、この点についての理解が全く欠けてしまっている人がいるので、少し詳しく説明すると...
経営事項審査や入札参加資格申請は、過去の実績に基づいて、申請することが必要です。経営事項審査は、審査対象事業年度(直近の確定した決算)の売上高を入力する必要がありますし、入札参加資格申請は、その売上高をもとに結果が算出されます。
ですので、そもそもの前提となる決算変更届が出ていないと、経営事項審査や入札参加資格の結果を算出することが出来ないのです。そのため、これから公共工事の入札にチャレンジしようという方は、決算変更届はもれなく、不備なく提出する必要があります。
ーそうですか、それは初めて知りました。公共工事への入札を検討しているのなら、決算変更届が漏れなく出ているか確認する必要がありますね。
はい。
この決算変更届は、ただ単に出ていればよいといった話でもありません。実は、経営事項審査を受けるには、経営事項審査を受けるためのルールに従った、決算書類の書き方があるのです。
このインタビューで書類の書き方まで、説明することはできませんが(笑)、簡単に言うと、「税抜き表記」であったり、「工事経歴書の記載方法」であったり、経審のルールをわかっていないと、せっかく提出した決算変更届の訂正を行う必要があるので注意が必要です。
よく「決算変更届は、税理士さんに提出してもらっています」という方がいますが、その税理士さんが、経審のルールをわかったうえで、都庁に提出しているのなら良いのですが、経審のルールをわかっていない場合には十中八九訂正が必要になると理解しておいてください。
ー決算変更届については、なんとなく理解できましたが、経営状況分析というのは何なんですか?
続いて経営状況分析についてご説明させていただきます。
経営事項審査を受ける際には、事前に経営状況分析を受けておく必要があります。経営状況分析は、都庁や県庁に申請をするのではなく、経営状況分析機関に提出をすることになります。
ワイズ公共データシステム(株)や(一財)建設業情報管理センターといった言葉を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、国土交通大臣の登録を受けた分析機関に申請するのが、経営状況分析です。
この経営状況分析は、会社の財務に関する状況をY点という点数に換算するために行います。このY点は、経営事項審査を受けるために必要な点数になります。
ーちょっとイメージがあまりよく湧いてきません。
ここの部分は、難しいですね。
経営事項審査は、建設会社の様々な項目を点数化してP点という点数を算出します。この経営事項審査の結果であるP点が高いほうが、より大きい公共工事に参入出来て、P点の結果が低いと、規模の小さい公共工事にしか参入できないといったイメージです。
ここまでは大丈夫でしょうか?
ーはい、大丈夫です。
この経営事項審査の結果であるP点を算出するには、さまざま項目を計算式に当てはめてX、Z、W、Yといった点数を算出します。
具体的には、完成工事高などの経営規模の項目(X)、技術職員数などの技術力の項目(Z)、社会保険の加入状況などの社会性の項目(W)、純支払比率や負債回転期間などの経営状況の項目(Y)の4つがあります。
このYの部分を担当するのが、都庁や県庁ではなく、分析機関に申請する経営状況分析ということになります。
ー経営事項審査の結果であるP点を算出するには、Y点が必要で、そのY点を算出するために、先に、経営状況分析を分析機関に申請するといったことでしょうか?
はい。その通りです。正確な理解といってよいでしょう。
経営事項審査の結果であるP点を算出するための、X、Z、W、Yの4つの全てを都庁、県庁に申請するのではなく、「Yだけは先に分析機関に申請して、結果を出しておいてくださいね。その結果は、経営事項審査を受ける際に必要ですからね。」といったイメージです。
この経営状況分析の結果であるY点の算出は、財務諸表や税務申告書の一部を使って行われます。Y点は、経営事項審査を受けるのに必要なため、先に分析機関に経営状況分析を行い経営状況分析結果通知書を取得しておく必要があるのです。
ーよくわかりました。そうすると、決算変更届と経営状況分析が終わって、やっと経営事項審査を申請することが出来るわけですね。
はい。理論上はその通りです。
ですが、経営事項審査は、それほど甘いものではありません。先ほど、少しお話しましたが、経営事項審査は、経営状況分析で算出したY点を除く「完成工事高などの経営規模の項目(X)、技術職員数などの技術力の項目(Z)、社会保険の加入状況などの社会性の項目(W)」の3つの項目を使って、複雑な計算式を使って、P点を算出すると話しました。
そのため、必要書類も大量に準備しなければなりません。ここでは思いついたものを簡単に上げていくと
- 過去に都庁建設業課に提出した申請書類の一式
- 決算変更届
- 資格者の合格証のコピー
- 健康保険や雇用保険の領収証の原本
- 過去の工事実績の契約書、注文書・請書など
- 標準報酬決定通知書
- 税理士作成の決算書類一式
- 消費税納税証明書
など、数え上げたらきりがありません。
ーそんなに必要なんですね。
はい。
初めての方には、なかなか想像しにくいと思うのですが、うちの事務所では、段ボールを使って、ゆうパックや宅配便などで、お客様に資料を提出してもらうことが多いです。
都庁に申請に行く際にも、バックに入りきらないときは、スーツケースなどを利用して、申請書類や確認書類一式を持参することもあります。
なので、これから経審を受けようと思っている事業者の方は、保険関係の書類、過去の工事の契約書類、税務関係の書類など、常にどこに保管しているのか?何年分保管しているのか?といったことを把握しておくことをお勧めします。
経営事項審査が無事に終われば、経営事項審査の結果通知書が届きます。
ー経営事項審査が無事終わって、経審の結果通知書が届いたら、入札に参加できるんですか?
そう、あわてないでください(笑)
ここまでの話をまとめますと、まずは、決算変更届を漏れなく不備なく提出しましょうということでした。決算変更届には、経営事項審査に提出する用の書き方があるので、その書き方に従ってないと、訂正届を提出する必要がありますともお話しました。
続いて、経営状況分析です。経営状況分析は、経営事項審査の際に必要なY点を算出するための手続きです。経営事項審査の申請には、Y点が必要なので、先にY点を算出するべく、経営事項審査に先んじて、経営状況分析機関に経営状況分析をお願いするんでしたね。
そして、経営事項審査。経営事項審査には、さまざまな書類が必要で、その審査が無事終われば、経営事項審査の結果通知書(P点)が御社に届くといった流れでした。
ーはい。理解できています。
ただ、経営事項審査の結果通知書(P点)が届いたからといって、直ちに入札に参加できるというとそうではないんです。
ーえっ!違うんですか?
実は、東京都の入札に参加するには、東京都へ入札参加資格申請を行うことが必要で、東京都へ入札参加資格申請を行うには「電子証明書+ICカードリーダ」および「パソコンの設定」が必要になるのです。
ー電子証明書?ICカードリーダ?パソコンの設定?どういうことでしょうか?すこしパニックを起こしそうです。
パニックになるのも無理はありませんね。少し休憩でも挟んだほうが良いですかね。
ーいいえ、大丈夫です。このまま一気に聞いたほうが理解がはかどります。
そうですか、わかりました。それでは、少しゆっくり目で、お話しますね。
東京都の入札は、すべて電子申請で行われています。東京都の入札に参加するには、東京都の入札参加資格申請を行うことが必要で、東京都の入札参加資格申請は電子申請にしか対応していない。つまり紙で申請することが出来ない。そのため、電子申請に対応した「電子証明書+ICカードリーダ」を購入する必要があり、電子申請するためのパソコンの設定が必要になるといった感じです。
ーなるほど。経営事項審査が終わったら東京都の入札に参加できると思っていたのですが、そうではなくて、東京都の入札参加資格を申請するための準備として「電子証明書+ICカードリーダ」「パソコンの設定」が必要になるということなのですね。
その通りです。
この点は、勘違いされている方も多いのですが、経営事項審査が終わって、すぐに、東京都の入札に参加できるわけではないんです。
電子証明書やICカードリーダは、電子入札コアシステム対応の民間認証局というところから御社の備品として購入して頂くことになります。電子証明書の有効期間は1年~5年の間で選べるようになっていて、購入料金は、1年1万円といった感じです。
ー電子証明書やICカードリーダを購入したとして、パソコンの設定ってどうやってやるんですか?
いい質問です。
さすがに、このインタビューでパソコンの設定の方法まで、ご案内することはできませんね。「インターネットエクスプローラを立ち上げて、画面右上の歯車マークをクリックして、インターネットオプションを開いてもらって...」って説明するわけにも行きませんしね。
ただ、弊所にご依頼を頂ければ、決算変更届・経営事項審査の申請と同様に、電子証明書やICカードリーダの購入から、パソコンの設定に至るまで、すべて弊所で代行可能ですので、必要な場合には、検討してみてください。
ーわかりました。横内先生にお願いすれば、パソコンの設定もやってもらえるんですね。パソコンの設定が終わったら、東京都の入札参加資格を申請できるといった理解でよいのでしょうか?
はい。
ここまで来て、やっと、東京都に入札参加資格の申請をすることができるわけです。パソコンの設定が無事済んだら、東京都の入札参加資格を電子申請できますので、電子申請を行い、申請結果が承認されれば、晴れて東京都の入札に参加できるようになります。
いや~。手続きの流れを理解するだけでも、一苦労です。
おっしゃる通りです。
これだけの手続きを、素人の方が、自分の力だけでやろうとするのは、かなり無理がありますね。もし、経営事項審査を受けて公共工事への参入を検討しているのであれば、手続きの流れをきちんと理解した行政書士にお願いすることをお勧めします。
手続きの流れについては、なんとなく理解できました。経営事項審査を受けるうえでの注意点などについて、何かありましたら、お聞かせ下さい。
経営事項審査を受ける際の注意点ですね。
まず、経営事項審査を受けるには、過去に都庁の建設業課に提出した申請書類の副本の原本が必要になります。建設業許可を更新した際の建設業許可更新申請書の副本の原本。決算変更届の副本の原本。代表者や本店所在地を変更した場合には、変更届の副本の原本。
これらの、建設業許可関連に関する書類は、ファイルに綴じるなり、まとめるなりして、いつでも取り出せるように保管しておいてください。
また、経営事項審査を受ける際には、過去の工事経歴の「契約書」「注文書・請書」「請求書・入金通帳」などが必要になります。過去の工事実績を証明するための書類です。これらの書類がきちんと残ってないと、過去の工事実績を証明することが出来ませんので、会社内で保管するようにしてください。
さらに、技術者の国家資格証のコピーや健康保険証のコピーなどは、経審を受ける際には、毎年のように必要になりますので、こういった資料も、毎年、毎年、職員に提出させるよりも、会社で一括して管理しておくことをお勧めします。
書類の保管についてですね。その他には、何かありますか?
これは、かなりテクニック的な話になるのですが。
経審の際には、完成工事高を2年平均で申請書類を作成するか、3年平均で申請書類を作成するか?選ぶことが出来ます。
また、自己資本も直前決算期の自己資本額を選択するのか?直前決算と直前々決算の自己資本の2期平均を選択するのか?選ぶことが出来ます。
さらは、例えば、内装工事業の売上高を建築一式工事に振り替えたり、とび・土工・コンクリート工事業の売上高を土木一式工事に振り替えたり、することが出来る場合もあります。
これらは、どれも、経営事項審査の手引きに書いてあることですが、もし、経審を自社で処理するという方は、手引きの記載を注意して読み込み、自社の申請に不利にならないような選択をしなければなりません。
例えば、2年平均にするより3年平均にしたほうが、完成工事高が高いのに、2年平均を選択してしまったりすると、それだけで、経審の結果であるP点が低くなる可能性があるからです。
また、技術職員名簿を作成する際にも、どの職員が何の国家資格をもっているのか?や、どの業種に対して10年の実務経験を使用できるのか?といった正確な知識がないと、損をする可能性もありますので、注意が必要です。
かなりテクニカルな話になってしまいましたが、私が行政書士業務として経営事項審査を受任した際には、これらのことを注意して申請するようにしています。
続いて、入札参加資格申請をする際の注意点について、お聞かせください。
公共工事の入札参加資格を取得する際に、よくある質問が「いつから公共工事の入札に参加できますか?」というものです。中には「来週の工事に間に合わせたい」といった方もいらっしゃいます。
すでに述べたように、公共工事に参加するには、決算変更届を提出し、経営状況分析・経営事項審査を経たうえで、入札参加資格を申請し、承認を得なければなりません。
東京都の場合、入札参加資格申請は、電子申請なので「電子証明書+ICカードリーダの購入」や「パソコンの設定」が必要である旨も説明しました。これら一連の手続きを経て、実際に公共工事の入札に参加できるようになるには、最低でも3か月から半年程度、見て頂く必要があります。
そのため、仮に1週間後の公共工事の入札に参加したいといっても、それは無理な話です。事前にスケジュールや計画を立てたうえで、余裕をもって、入札参加資格を取得するように心がけてください。
インタビュー時間も残りわずかとなってきました。最後に、これから経営事項審査を受けて、公共工事の入札に参加したいという方に、メッセージがあれば、お願いします。
はい。
このインタビューでは、手続きの流れや注意点について、かなり、わかりやすく説明させて頂いたつもりですが、いかがでしたでしょうか?実は、まだまだ、話足りないことは山ほどあるのですが、時間の関係上、今日はこの辺で終わりにしたいと思います。
最後に。
私のお客様の中には、毎年、毎年、安定して公共工事の受注に成功している事業者さまがいらっしゃいます。あたかも、初めから成功しているように見受けられるかもしれませんが、実は、そんな会社でさえ、初めの頃は、何もわからず、試行錯誤の上で、経審を受け続け、入札参加資格を継続して維持し続けたからこそ、今があるといっても過言ではありません。
いま、経営事項審査を受けて、公共工事を受注したいと思っている皆さん方も、入札参加資格を取得したからと言って、すぐに公共工事を受注・落札できるようになるとは限りません。
場合によっては、数年は、競合他社の動向や希望案件の様子を見ることになるなど険しい道のりが待っているかもしれません。ですが、今日、このインタビュー記事を見て頂いた方々が無事、経審を受審し、入札参加資格を取得し、公共工事の落札に至ることを心から願っています。
横内先生。今日は、長い時間、ありがとうございました。
こちらこそ、ありがとうございました。
行政書士法人スマートサイドでは、相談者1人1人への適切な対応、質の高い面談時間の提供・確保の見地から、初回に限り、1時間あたり11,000円の相談料を頂いております。
ー電話無料相談は、承っておりません。あらかじめご了承くださいー