宅建免許保有の不動産会社がさらなる進化。内装・建築工事の新規建設業許可を取得した成功事例


このページは、宅建免許を保有している不動産会社からの依頼で、内装工事業および建築工事業の建設業許可を取得した実績をもとに、不動産会社が建設業許可を取得する方法や注意点などについて、記載したページです。

建設業許可を必要としているのは、建設業者だけではありません。不動産の賃貸、販売、仲介などを行っていて、建設業許可を取得したいとお考えの人がいれば、ぜひ、参考にしてみてください。


メイン業務は不動産の販売や賃貸借だけど、「取れることなら建設業許可を取得したい」といった不動産会社さまは、いらっしゃいませんか?

不動産会社の中には、入居者退去後の原状回復工事リフォーム工事を自社で施工する会社も少なくないと思います。施工する原状回復工事・リフォーム工事が500万円以上であれば、建設業許可の取得は必須です。

仮に500万円未満であったとしても、やはり、コンプライアンス的には、法律上のグレーゾーンをなくすためにも、「取れるものなら建設業許可を取得したい」と考えるのではないでしょうか?

今回は、以前、弊所にて1級建築士事務所登録を行った不動産会社(宅建免許事業者)さまから、建設業許可も取得したいというご依頼を承った事案のご紹介です。

  • 工事について詳しくわからない
  • 建設業法はよくわからない
  • 建設業許可について興味がある

といった不動産会社・建築士事務所さまは、ぜひ、参考にしてみてください。

相談:不動産会社が内装や建築の建設業許可を取得するには?

概要

会社所在地 東京都世田谷区
業種 内装工事業・建築工事業

相談内容

相談内容 入居者が退去する際に、不動産のオーナーからリフォーム・原状回復工事を請負う。その際に、500万円以上の金額になることはめったにないが、念のため、建設業許可を取得したい。

内装工事と建築工事の両方で取得したい。

申請内容

申請内容
  • 東京都建設業許可取得(内装工事業・建築工事業)

行政書士法人スマートサイドの対応

以前からお付き合いのある事業者さまからのご依頼です。以前、弊所にて建築士事務所登録を代行させていただきました。

建築士事務所登録を行う際に、1級建築士の方が在籍していること、不動産業者として原状回復・リフォーム工事を行っていることを把握していましたので、経営業務管理責任者の5年ないしは6年の経験を証明できれば、建設業許可取得は手堅いと判断し、受任する運びとなりました。

本件のように、以前からお付き合いのある事業者さまの場合、会社の内部をある程度、把握できているので、話がトントン拍子で進み、非常に仕事がやりやすいといえます。

以下では、建設業許可の要件である「経営業務管理責任者」「専任技術者」を中心に説明をしていきたいと思います。

建設業許可を取得するための「経管」「専技」の要件

まず、建設業法や建設業許可に詳しくない不動産会社(宅建業者)の方に簡単に説明すると、建設業許可を取得するには「経営業務管理責任者」と「専任技術者」が、社内に常勤していなければなりません。

【経営業務管理責任者】

右の(1)~(3)の全てをみたすことが必要

申請会社の常勤取締役であること(1)
取締役の経験もしくは個人事業主の経験が5年以上あること(2)
上記の5年間、建設業を経営していた(工事の実績がある)といえること(3)

【専任技術者】

右の①~③いずれかを満たすことが必要

建築士や施工管理技士といった資格者であること①
建築科や土木科を卒業後、3~5年の実務経験を積んでいること②
10年の実務経験を積んでいること③

経営業務管理責任者は社長、専任技術者は資格を持っている社員というように、「経管」と「専技」が別々の人であるというケースが多いですが、経営業務管理責任者と専任技術者は、同一人物でも構いません。例えば、社長が「経管」と「専技」を兼ねるということもできます。

1.経営業務管理責任者の要件について

経営業務管理責任者の要件を証明するには、「(1)申請会社の常勤取締役であること」を前提に、「(2)法人の取締役としての5年以上の期間」と「(3)その期間中の工事経験」を証明しなければなりません。

(1)申請会社の常勤取締役であること

まずは、申請会社の常勤取締役であることについては

  • 健康保険被保険者証の事業所名の記載
  • 会社の履歴事項全部証明書

の2点で証明します。健康保険被保険者証は2枚持つことができませんので、事業所名を確認すれば、どの会社に常勤しているのかを知ることができます。また、法務局から履歴事項全部証明書を取得することによって、申請会社の取締役になっているか否かを確認することができます。

(2)取締役(もしくは個人事業主)の経験が5年以上あること

建設業許可を取得するための「経営業務管理責任者」の要件を満たすには、「(1)申請会社の常勤取締役」であるだけでなく、その取締役に「(2)法人の取締役としての経験もしくは個人事業主としての経験が5年以上」なければなりません。

この会社は、昭和63年会社設立当時から、現社長が、代表取締役を務めていました。この点については、会社の登記簿謄本で確認することができます。そのため、(2)の要件は、まったく問題ないことになります。

(3)上記の5年間、建設業を経営していた(工事の実績)があること

建設業許可を取得するための「経営業務管理責任者」の要件を満たすには、(1)(2)を満たしているだけでなく「(2)の期間、建設業を経営していたいこと=工事の実績があること」を証明しなければなりません。

これが、「(3)上記の5年間、建設業を経営していた(工事の実績がある)といえること」の要件です。

この事案のご依頼者さま(宅建免許保有業者)は、自社で、原状回復工事やリフォーム工事を行う不動産会社であったので、内装工事・リフォーム工事の実績が、豊富にありました。

そこで、内装工事の

  • 請求書
  • 上記請求に対する入金が確認できる入金通帳

を5年分以上お預かりし、「請求書」と「入金記録」を1件、1件、精査していくことによって、(3)の工事の実績=建設業を経営していたことを証明していくことにしました。

(3)の工事の実績=建設業を経営していたことの証明は、本件のような「請求書と入金記録」以外にも「工事請負契約書」「注文書と請書」によって行うこともできます。但し、「工事請負契約書」や「注文書・請書」を保管していないというケースにおいては、「請求書と入金記録」によって、1件ずつ証明していく方法が無難な方法であると思います。


経営業務管理責任者の要件については、上記のように(1)~(3)を満たしましたので、本件においては、無事、クリアできたことになります。


2.専任技術者の要件について

建設業許可を取得する際の専任技術者の要件については、前述の通り

  • ①建築士や施工管理技士といった資格者であること
  • ②建築科や土木科を卒業後、3~5年の実務経験を積んでいること
  • ③10年の実務経験を積んでいること

のいずれかを満たす必要があります。

本事案では、この会社が1級建築士事務所登録をしていることからもわかる通り、社員の中に1級建築士の資格を持っている方がいたので、その人が、「内装工事」「建築工事」の専任技術者の要件を満たすことに、とくに問題はありませんでした。

3.取得する建設業の許可業種について

「2.専任技術者の要件」とも関連しますが、専任技術者の持っている国家資格によって、取得できる建設業許可の種類が変わってきます。例えば、電気工事施工管理技士であれば、電気工事の専任技術者になることはできますが、内装工事の専任技術者になることはできません。また、管工事施工管理技士の場合も同様に、管工事の専任技術者になることはできても、建築工事の専任技術者になることはできません。

本件では、原状回復工事やリフォーム工事を手掛ける不動産会社という性格上建築工事と内装工事の建設業許可の取得を希望されていましたが、1級建築士の資格と合わせると

  • 建築工事
  • 大工工事
  • 屋根工事
  • タイル工事
  • 鋼構造物工事
  • 内装工事

の6業種の建設業許可を取得することが可能でした。

そのため、本来必要としてた「内装工事」「建築工事」に加えて「大工工事」「屋根工事」「タイル工事」「鋼構造物工事」の6業種の建設業許可を取得することにしました。

この点については、本来的に必要な「内装工事」「建築工事」に絞るのか?それとも、取れるものはすべて取るというスタンスで申請書類を作成するのか?お客さまの好みによって分かれるところであります。

4.建設業許可を取得する際の財産的要件について

建設業許可を取得する際には、経営業務管理責任者の要件と専任技術者の要件にばかり、目が奪われがちですが、財産的要件についても、きちんと確認しなくてはなりません。

法人の場合、純資産が500万円を下まわっていると、500万円以上の預金残高証明書の原本の提出を求められることになります。

実は、この事案では、建設業許可取得を急いでいたため、預金残高証明書は後から提出する旨の覚書をもって、都庁に提出に行ったのですが、「あとあとトラブルになるといけないので、預金残高証明書の原本がないと申請書類を受け付けることはできない」と、申請の受付を断られてしまいました。

たしかに、経営業務管理責任者や専任技術者の要件と比べると、財産的要件は、それほど重要でないと思えるかもしれません。一通り申請の準備が完了した段階で、銀行に預金残高証明書の発行依頼をしたところ、1週間から10日程度かかるとのことでしたので、それならば先に都庁に提出してしまおうと思って、申請に行ったのですが、やはり、預金残高証明書の原本を取得してから再度、申請に来てくださいとのことでした。

直近の確定した決算で、純資産が500万円を下回っている場合には、預金残高証明書が必要です。金融機関によっては、預金残高証明書の発行に1週間から10日程度かかることがあるようです。

急ぎで建設業許可取得を検討している方は、「貸借対照表の純資産の額」「預金残高の額」「預金残高証明書発行までにかかる期間」の3点について十分に注意してみてください。

建設業許可を取得したいとお考えの宅建業者・不動産会社の方へ

本件では、当初お客さまが希望していた「内装工事」「建築工事」の建設業許可に加えて、合計で6業種の建設業許可を無事取得することができました。

以前から建設業許可に関心がある建設会社や、長年建設工事に従事している個人事業主の方でもない限り、建設業許可を理解して、スムーズに申請するということは、とても困難です。

そんななかでも、不動産会社や建築事務所で建設業許可を取得したいと考えている方は、非常に多いと思います。

不動産会社が建設業許可を取得すれば、不動産所有者(オーナー)からのリフォーム依頼や原状回復工事の依頼を、他社に請け負わせることなく自社で施工することが可能になります。建築士事務所が建設業許可を取得すれば、建築物の設計のみならず施工も自社で請け負うことができます。

このように、不動産会社や建築士事務所が建設業許可を取得することにはメリットしかありません。

また、不動産会社や建築士事務所の方は、建設業界についてあまり詳しくないため、建設業許可を取得したいと思っても、なかなか前に進むことができないで困っている人も多いのではないかと思います。

行政書士法人スマートサイドでは、このページに記載した実績のほかにも、工事実績のない不動産会社が建設業許可を取得した事例や、建設業許可と建築士事務所登録を同時におこなった事例など、さまざまな豊富な実績があります。

建設業許可に興味がある「不動産会社」「建築事務所」は、ぜひ、下記お問い合わせフォームから行政書士法人スマートサイドまでご連絡をください。

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