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平成27年春、建設業法等の改正がなされました。以下では、そのうち重要と思われるいくつかのものについてご説明いたします。
以前より、暴力団などの反社会的勢力の建設業への関与は厳しく取り締まられてきました。その影響もあって、建設業の健全化・反社会的勢力の排除は功を奏しつつあります。現在よりもさらに建設業界の健全な発展を視野に入れて、暴力団排除条項の整備が行われます。
建設業の許可に係る「欠格要件」および「取消事由」(建設業法第8条、第29条)に、許可・登録申請者やその法定代理人、役員等が「暴力団員」、「暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者」又は「暴力団員等がその事業活動を支配する者」であることが追加されます。
これにより、許可の際に暴力団員等を排除するとともに、許可後に暴力団員が役員となった場合などに許可の取り消しを行うことができるようになります。
許可・登録申請書の記載事項及び添付書類の対象となる「役員」や許可・登録に係る欠格要件の対象となる「役員」の範囲を拡大し、取締役や執行役に加え、相談役や顧問など「法人に対し取締役等と同等以上の支配力を有する者」を含めることになります(建設業法第5条、浄化槽法第22条、建設リサイクル法第22条)。
従来は、暴力団員等が取締役や執行役の場合に限って、排除の対象とされていました。しかし、この改正によって、暴力団員等が取締役や執行役以外の立場であっても事業者を実質的に支配している場合などに、不許可や許可の取消などを行えるようになります。
住宅リフォーム工事など個人が注文者となる工事は、今後その需要の増加が見込まれます。見積書が手元にないことなどによるトラブルの防止に資するよう、注文者から求めがあった場合に建設業者に義務付けられている見積書の「提示」が「交付」に改正されます(建設業法第20条)。
建設業者には、材料費、労務費等の経費の内訳を明らかにした見積もりを行うように努める義務があります。建設業者は、注文者からの求めがない場合であっても、注文者への見積書を交付をすることが望まれます。
どの業界・どの業種においても労務の質・量に比例した適正価格での契約が望まれます。不当に低く設定された金額による契約が横行すれば、質の良い労務の提供は不可能となりお客様に迷惑をかけるばかりでなくその業界自体の衰退を招くことになりかねません。不当なダンピングを防止するために、入契法第3条に「その請負代金の額によっては公共行工事の適正な施工が通常見込まれない契約の締結が防止されること」を追加し、公共工事の発注者には、低入札価格調査基準や最低制限価格の適切な設定など、効果的なダンピング対策を行うことが求められるようになります。
受注者が暴力団員等であることが判明した場合、公共工事の発注者は、当該受注者が建設業の許可を受けた行政庁へ通知するものとされます。
これにより、通知を受けた許可行政庁は、暴力団員等である受注者に対して建設業の許可の取消処分を行うこととなり、建設業からの暴力団排除が徹底されます。
現在、施工体制台帳は、下請契約の請負代金額が合計3,000万円以上(建築一式工事の場合は合計4,500万円以上)の場合のみ作成・提出を求めていますが、公共工事については下請金額の下限を撤廃し、公共工事を受注した建設業者が下請契約を締結するときは、その金額に関わらず、施工体制台帳を作成し、その写しを発注者に提出するものされます。
【この記事の監修・執筆責任者】 東京都行政書士会:文京支部所属(行政書士登録番号:14081073) 行政書士法人スマートサイド:代表:横内賢郎/出版実績一覧はこちら 「技術職員100名以上」「年間売上100億円超」「全国展開している大臣許可業者」など大規模事業者の申請手続きも、得意としている事務所です。 |
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